電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「アベンジャーズ エンドゲーム」-Avengers: Endgame-

アンソニー・ルッソ+ジョー・ルッソ監督。サノス(ジョシュ・ブローリン)により宇宙全人類の半分が消されるが、トニー(ロバート・ダウニー・Jr.)とサノスの義理の娘ネビュラ(カレン・ギラン)はキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)の助けにより地球に帰還に成功。そして、キャプテン・アメリカ(クリス・エバンス)、ソー(クリス・ヘムズワース)、ハルク(マーク・ラファロ)たちアベンジャーズは結集しインフィニティ・ストーンを奪回しようとするが…。まとめとしては、まあまあな印象、主要なキャラはいい感じに出番があるが何しろ多すぎる。三時間は長すぎると思う。キャプテン・マーベルは出番少ないな。姉妹の関係性とかちょっと面白かった。物語的には色々とモヤモヤする所も多い。特に副作用的に死んだ人間はどうなるんだ。あと、真田広之の登場はまったく無駄じゃないか。 https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers4.html

「愛がなんだ」

今泉力哉監督、角田光代原作。28歳のOLテルコ(岸井ゆきの)は、一目ぼれしてからマモル(成田凌)が最優先の生活。友達の葉子(深川麻衣)、カメラマンのナカムラ(若葉竜也)にも迷惑をかけ、仕事も疎かな毎日。テルコはあるきっかけでマモルからの連絡がなくなるが、 すみれ(江口のりこ)とともにマモルと再会する…。原作未読。岸井ゆきのの今っぽい存在感がいいのだけど後半からは角田光代らしいドロドロ感が出てきて、ダークさが増す。江口のりこが入ると対比の軸が明確になりさらにいい感じに展開していく。葉子、ナカムラも多重的な関係性から、一途な愛ってものの本質を考える構成は面白い。

http://aigananda.com/

「キングダム」

佐藤信介監督、原泰久原作。紀元前245年、春秋戦国時代の中華西方の国・秦。戦争孤児の信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は子供の頃から剣術の鍛錬を繰り返していたが、王そっくりの漂は大臣の昌文君(高嶋政宏)により召し上げられ王宮に入る。そして王の弟(本郷奏多)の反乱により、漂たちは王都から逃げ延び、信は河了貂(橋本環奈)、昌文君、さらに山の民の楊端和(長澤まさみ)と共に王都の奪還へ向かうが…。原作は半分、アニメ版は観ている。映画は原作でいうと王弟反乱編で、第5巻までで先はまだまだ長い。ちょっとダラダラした感じがする。せめて初陣ぐらいまでテンポよくやった方が良かった気がするが。アクション面はまあまあで「るろうに剣心」みたいな派手なアクションは良い、ワイヤーアクションもダイナミックさがあっていい感じか。でも全体にはディティールは雑。大沢たかおの王騎は微妙なトコだが、長澤まさみ、橋本環奈たちと並ぶ世界ではこんなもんかなとあきらめの心境。

https://kingdom-the-movie.jp

「シャザム!」-Shazam!-

デビッド・F・サンドバーグ監督。幼い頃に母とはぐれ里親の家を転々とするビリー(アッシャー・エンジェル)は、新しいホームでフレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)、メアリー、ユージーン、ペドロ、ダーラたち子供と暮らすことになる。そしてビリーは謎の魔術師と出会い、ソロモン、ヘラクラス、アトラス、ゼウス、アキレス、マーキューリーの能力を持ったシャザム(ザカリー・リーバイ)に変身できるようになるが、彼の前に同じ力を求めていたDr.シヴァナ(マーク・ストロング)が現れる…。DCコミックで子供向きかと思ったら、物語的にはまあまあ凝っている。ラストへの盛り上げは良かった。お気楽なエンタメではあるけど、程よい感じ。これは他のDCコミックのヒーローとは絡めないだろうなあ、気配は感じるが、どうなんだろうか^^

http://wwws.warnerbros.co.jp/shazam-movie/

「ハンターキラー 潜航せよ」-Hunter Killer-

ドノバン・マーシュ監督、ドン・キース+ジョージ・ウォレス原作。ロシア近海で米海軍原子力潜水艦が消息を絶ち、ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)を艦長として攻撃型原潜ハンターキラーであるUSSアーカンソーが捜索へ向かう。一方、ビル(トビー・スティーブンス)たち特殊部隊は情報収集のため密かにロシアの軍港に潜入、またロシアのドゥロフ国防大臣はザカリン大統領を拘束するが…。潜水艦内だけでなく色々な要素が絡み合って、なかなかに面白い軍事ミステリな構成。見せ場の作り方もうまい。ちょっと技術的にムチャなとこもあるし、偶然重なりすぎでしょってとこもあるけど、その辺に目をつぶればエンタメとしてはなかなか面白い。参謀本部議長のゲイリー・オールドマン、海軍少将のコモン、アンドロポフ艦長のミカエル・ニクビスト(2017年6月死去だがこれが遺作??)など有名俳優の方が出番少ない感じ。

https://gaga.ne.jp/hunterkiller/

「麻雀放浪記2020」

白石和彌監督。坊や哲(斎藤工)は1945年オックスクラブでの、ゆき(ベッキー)、ドサ健(的場浩司)、出目徳(小松政夫)たちとの勝負からタイムスリップ、そこは再び戦争に負けゴリンピックが中止になった2020年の東京だった。哲はドテ子(もも)、クソ丸(竹中直人)の家に居候し再び麻雀で名前をあげる。一方、ゴリンピック組織委員長の杜(ピエール瀧)は代わりに麻雀の世界大会を計画するが…。阿佐田哲也原作、和田誠監督、真田広之主演の1984年「麻雀放浪記」には及ばないものの、意外に面白かった。前評判は随分と悪かったけど。社会批判の精神がなかなか強くて、五輪中止設定へのクレーム、ピエール瀧逮捕での自粛ムードへ対抗するだけある。内容的にも、麻雀放浪記が好きなら十分に楽しめる。舛添の出演とか笑える。ドテ子役のチャラン・ポ・ランタンのもも、もうちょっと可愛く撮れると思うのだがかなり扱いがヒドイのが可哀想。

http://www.mahjongg2020.jp/

「マイ・ブックショップ」-The Bookshop-

イザベル・コイシェ監督、ペネロピ・フィッツジェラル原作。1959年、英国の海岸地方。フローレンス・グリーン(エミリー・モーティマー)は、戦争で死んだ夫との夢だっった書店を開くことを決意、オールドハウスと呼ばれる古い屋敷を買い取り少女クリスティーを手伝いに店を始める。読書を楽しみに40年間引きこもりだったブランディッシュ(ビル・ナイ)はフローレンスを支援するが、地元の有力者ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)は店を潰そうと画策する…。この静かなトーンがまるで「日の名残り」のようだと思って後で調べたら、原作はブッカー賞の候補作、「テムズ河の人々」はブッカー賞の作家なのか。原作未読。原作は映画とほぼ同時に翻訳出版されたみたい。全体にいい物語で本好きにはたまらない。ブラッドベリや「ロリータ」の使い方もぐっと来る。夢中で棚に並ぶタイトルを読んでしまう。英国俳優の良さも出ているいい映画。

http://mybookshop.jp/