電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「宮本から君へ」

真利子哲也監督、新井英樹原作。営業マンの宮本浩(池松壮亮)は、先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間の中野靖子(蒼井優)と付き合う事になるが、二人が靖子の家にいた時に元カレ風間裕二(井浦新)が現れる。また、取引先の真淵(ピエール瀧)、大野(佐藤二朗)のラクビーチームに勧誘された宮本は、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)と知り合うが…。原作は全部読んでる、TVドラマ未見。映画は原作の後半の方の話。1980年っぽい暑苦しさ(90年だけど)が100%で平気なのかと思ったら、そのまま暑苦しい。うーん、ちょっと色々と工夫が足りない気がする。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」 の時みたいな印象。迫力はあるんだけどねえ。蒼井優の体当たり演技も勿体無い。新井英樹の映画化って「愛しのアイリーン」に続いて二作目かな。

http://miyamotomovie.jp/

「アナベル 死霊博物館」-Annabelle Comes Home-

ゲイリー・ドーベルマン監督。超常現象研究家エド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)と妻ロレイン(ベラ・ファーミガ)は、呪いを持つ人形アナベルなどを家に封印していた。ある時、夫妻が仕事で旅に出て、娘ジュディ(マッケンナ・グレイス)のシッター、メアリー(マディソン・アイスマン)がやってくる。その友達ダニエラ(ケイティ・サリフ)も一夜を過ごすことになるが、ダニエラが封印を解いてしまうことにより悪霊が襲いかかる…。「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」に続くアナベル3作目。1作目はまったくつまらなくて、2作目はサンドバーグに監督が交代して随分マシに。そして今回は「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の脚本家、イリー・ドーベルマンが監督脚本になってちょっと期待だった。今回のは今までで一番いい。怖がらせ方は似たようなもんだけど、若者たちを主人公にした事が成功している。色々と青春しているのがいい。子役マッケンナ・グレイスが美人顔すぎて怖い

http://wwws.warnerbros.co.jp/annabelle-museumjp/

「アド・アストラ」-Ad Astra-

ジェームズ・グレイ監督。突然のパワサージによる事故で宇宙飛行士のロイ・マグブライド少佐(ブラッド・ピット)は生き延びるが、頻発する事故の原因が地球外生命体探査のリマ計画により行方不明のロイの父・クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)によるものであり、その解決協力を依頼される。ロイは民間機で極秘に月へ向かい、さらに火星の基地から冥王星へ向かおうとするが…。多くのSFがそうだけど、かなり「2001年宇宙の旅」リスペクト感が強く、ハードSFな味が楽しめる。映像も設定も随所に2001なトコかある。月への旅、さらに冥王星への展開なども同じ。かなり地味に展開するけど個人的には好きな映画。あまりにハードSF的に見ると、その速度じゃ無理でしょとかそんな密度ないでしょ的なアラが目立つけど、まあそこは許した。監督自身がコンランッド「闇の奥」とストーリを比較しているらしいが、確かに「地獄の黙示録」」みたいなところも多い。

http://www.foxmovies-jp.com/adastra/

「人間失格 太宰治と3人の女たち」

蜷川実花監督。1948年、太宰治(小栗旬)は身重の妻・美知子(宮沢りえ)と二人の子供と暮らしながら、太田静子(沢尻エリカ)と関係を持ち、彼女の日記を元に「斜陽」をベストセラーにする。さらに美容師の山崎富栄(二階堂ふみ)と知り合い関係を深くしていくが…。「人間失格」のタイトルだけど、小説の内容とは無関係でその誕生の物語か。映画としては荒戸源次郎「人間失格」は小説そのまま原作。これは、実在の人物がメインだけど、かなり脚色されていて基本はフィクション。映像も演技もみんな張り切ってはいるけど、何故か退屈になる展開が蜷川風味。高良健吾三島由紀夫も、藤原竜也坂口安吾もなんか浮いていた。なんでこれが満席なの、と思った。太宰のこの10年ぐらいの映画では、「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」 「パンドラの匣」 はまあ良かったけど、荒戸源次郎「人間失格」と秋原正俊版「斜陽」はダメだったな。

http://ningenshikkaku-movie.com/

「おいしい家族」

ふくだももこ監督。銀座で化粧品を売る橙花(松本穂香)は、母の三回忌のために故郷の離島へ帰る。そこでは父の青治(板尾創路)は母の服で生活し、家には弟の翠(笠松将)と出産間近な妻サムザナ(イシャーニ)以外に、和生(浜野謙太)とその娘ダリア(モトーラ世理奈)が居候していた…。短編映画(未見)を監督自身が長編化。なんか色々とヘンな設定に飛び込んで、それを受け入れていく事で自身も変化していくという話。基本とてもハートウォーミング、「メゾン・ド・ヒミコ」 みたいな感触か、こっちの方が面白いけど。瀧(三河悠冴)の存在もいいアクセント。出番少ないけど母すみれ役の金澤ちゆきは若くてスタイル良すぎだと思ったけど、モデルなのか。

https://oishii-movie.jp/

「見えない目撃者」

森淳一監督。浜中なつめ(吉岡里帆)は元警察官だが、弟との自動車事故で失明。3年後、なつめは偶然に誘拐事件と思われる現場に遭遇するが、警察には信用されない。なつめはもう一人の目撃者、高校生の春馬(高杉真宙)の協力を求める。また警察の定年間近の木村友一(田口トモロヲ)は吉野(大倉孝二)を連れ、捜査を続行するが…。2011年の韓国映画「ブラインド」のリメイク、未見。R15でちょいグロいシーンは多くて好き嫌いがありそうだけど、これはなかなか良かった。盲目の元警官が追う殺人鬼って設定が何しろ新鮮で面白いし、警官たちも人物像がそれぞれ活きているいい脚本。オリジナルを観たくなる。狙われる被害者像と、救さまという設定も社会性がある。盲導犬の存在もいい。

http://www.mienaimokugekisha.jp/

「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」-Eighth Grade-

ボー・バーナム監督脚本。8年生で来年は高校のケイラ(エルシー・フィッシャー)は、内気な自分を変えようと動画配信中。父マーク(ジョシュ・ハミルトン)は娘が心配で人気者ケネディのパーティに無理やり行かせるが、ケイラは憧れのゲイブ(ジェイク・ライアン)とは話せず、近づいてくるのは変人のゲイブ(ジェイク・ライアン)ぐらい。やがて、高校の体験入学で案内のオリヴィア(エミリー・ロビンソン)と知り合うが…。YouTuber出身で俳優でコメディアンの監督のオリジナル脚本、デジタルネイティブなジェネレーションZ世代のリアルな葛藤は面白い。女子の微妙な心情というネタがなかなか良い。主演は「怪盗グルーの月泥棒 3D 」 のアグネスの声のエルシー・フィッシャーだが、もうこんなに大きくなってるのか。

http://www.transformer.co.jp/m/eighthgrade/