電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1987-01-01から1日間の記事一覧

「死海殺人事件」

76点。このシリーズは、すごいというほどではないが、いつも期待を裏切らない。それなりには、楽しめる。しかし、大団円はちょっとものたりないか?

「マスカレード」

61点。展開がころころ変わるのはおもしろかったが、その分、話にのめりこむ事ができなかった。サスペンス物としても、いまひとつ。

「マルサの女2」

80点。前作より話が大きくなっている分、多少、話が拡散してしまって、まとまりが無いような気もするが、それでも映画としては、かなりの高水準にあると思う。伊丹十三は、まだまだ現役で頑張って欲しい監督である。

「戦場の小さな天使たち」

70点。英国の、”ラジオ・デイズ”という雰囲気で結構楽しめた。”サンキュー、アドロフ!”の台詞が、戦争を一つの日常と化した子供の目を象徴している。

「誰かに見られてる」

78点。ラブロマンスとしても、サスペンスとしてもいいでき。結局、ラストのシーンで、家族の愛と彼女の愛の比較が微妙に表現されてるが、そこがすごい。こういう微妙な愛情表現を、局限の状態で演出する技術というのは、考えてもみなかった。

「ダンサー」

55点。バリシニコフのバレエを観にいくのなら正解だと思う。”ホワイト・ナイツ”のような盛りだくさんのドラマを期待してはいけない。私は後者だったので、期待はずれだった。バレエ好きなら、文句なく楽しめるのかもしれない。

「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」

69点。楽しめるかなりのレベルまでできている。しかし、うちわ受けを狙ったディティールの絵の部分により、メインの絵の方がおろそかになっている印象を受けた。

「めぞん一刻 完結編」

40点。アパートの部屋と人物の使い方は面白かった。しかし、動画の印象が、あまりにも原作とかけはなれている。原作のイメージを損なっているだけである。

「うる星やつら 完結編」

73点。原作のアニメ化という点では、非常にうまく出来ていると思う。絵も、シリーズの中では上々のできである。今までのシリーズの様な、ラムのイメージを少々、美化しすぎてたところがないのがよい。

「太陽の帝国」

77点。原作者、バラードの世界観を知る上での貴重な資料であろう。スピルバーグは、よく自分を押えてバラードらしさを出していると思う。上海の描写は見応えがあった。

「ベルリン 天使の詩」

88点。美しいモノクロ映像のトーンに魅せられた。あれは、小津のトーンなのだろうか?ストーリとしても、大人の童話ともいえる、観終った後の気持ちがいい作品。ピーター・フォークの存在感、使い方が面白かった。

「ロックよ静かに流れろ」

70点。日本では、めずらしいというほど、よくできた正統青春映画である。ただ、気になるのは、全編に感じる垢抜けなさ。これはあくまで母親の視点から書かれた原作のせいだと思う。

「少年武道館」

2点。同時上映に対する、引立て役に1点。こんなものをスクリーンに映そうという度胸のある関係者に1点。男闘呼組、光GENJI、少年忍者。

「ブロード・キャスト・ニュース」

78点。あまりにもショー化されてしまった、ニュース番組への批判の映画という予想をして観にいった。しかし基本的テーマはそうであっても、友情、恋愛と話は盛りだくさん。ニュース番組のうちわ話としても、かなり面白かった。

「サイクロンZ」

65点。トニー谷に似た人が拾い物だった。今後も香港映画にでて欲しい。弁護士というキャラクターがジャッキーに似合うかとういうと、私には疑問である。この映画の評価は、恋愛の描写、法廷シーンでずいぶん下がっていると思う。

「ゴシック」

80点。ずるずると、ケン・ラッセルの不可思議な世界に引きずられていってしまうのが恐い。まるで悪夢。観客にまでこの映画は夢だったんだと思わせるようなラストシーンは、”狐につままれたよう”という表現がぴったりする。

「霊幻道士3」

50点。霊幻味道士シリーズも、かなりポテンシャルが落ちているような感じ。ストーリ展開、アクション、キャラクターともに、なんの新鮮味も感じられなかった。

「ウォール街」

76点。インサイダー取り引きという、タイムリーな素材が魅力的だった。株式自体を知らなくても、ストーリに引き込んで行く技術はみごと。しかし、最後のあっけなさはちょっとものたりない。

「火垂るの墓」

70点。ネガティブな部分での反戦表現である事は判る。しかし、私は焼け跡の中でしぶとく生きて行こうという、野坂文学の方が評価できる。爆撃のシーンは実にリアリティがあった。

「となりのトトロ」

83点。内容、技術ともに、実に質のいいアニメーション。実は子供よりも、大人の方が楽しめるのではないかと思った。”ナウシカ”、”ラピュタ”などような壮大なテーマがない分、実にディティールに凝ったいい作りをしている。

「窓 ベットルームの女」

78点。ヒッチコックをかなり意識した作り。サスペンスものとしても、かなりの出来で、ストーリーにひきずりこまれた。しかし宣伝のコピー、”ヒッチコックも悲鳴をあげる…”というのには笑ってしまった。ヒッチコックを意識させないサスペンスというのは、でき…

「ルーカス・ルーカス」

40点。アイアンマン・レース、父兄弟の関係という、面白い素材を使いながら、まったくその味がいかされていない。最後の、主人公の行動も、どうも賛成しかねるところがある。

「ビックタウン」

72点。ダイアン・レインの役は、もうちょっと救いがあるのかと思ったが、あそこまで汚れ役に徹するとは意外だった。ギャンブルの世界の、暗さ、汚さ、スリルの描き方は、それなりにスリリングで面白いのだが、そこには新しさは感じられなかった。

「ジミー」

45点。セックス好きの少年が、わがままし放題の話にしか感じられなかった。冒頭のシーンで、もうちょっと親子の関係などに突っ込みがあると思ったけど、期待を裏切られた。

「長くつ下のピッピ」

56点。以前作られていた、TVシリーズの方がずっとすぐれていると思う。子供が楽しめる映画にはなっていないと思うが、これは子供の意見を聞いてみなければ判らない。子供の頃の、原作のファンだったので、今回の映画化の失敗は残念である。

「フルメタル・ジャケット」

80点。久々のキューブリッック映画を堪能できた。単純なベトナム映画、戦争映画でないことは確か。”プラトーン”に代表されるベトナム映画との比較はあまり意味がないと思う。特に訓練シーンの映像化は、完璧主義者のキューブリックならではであろう。

「ローマの休日」

80点。このオードリー・ヘップバーンの美しさは、まったく時間を超越しているところがある。床屋でショート・カットのシーンでは、近頃はやりの前髪の長さであると、一人納得した。

「黒い瞳」

83点。観終った後の、非常にすがすがしい映画。映像は美しく、ストーリも美しい大人の愛。大人による、大人の為の映画かもしれない。ラブストーリに徹しきった映画が少ない現在、この成功は後続の作品にいい影響を与えるだろう。

「アメリカン・ウェイ」

77点。アメリカが、次々とベトナムの総括的映画を作るなか、UKが徹底的なパロディとして作った面白さがある。まるで、”これがUKウェイだ”といわんばかりである。

「汚れた血」

85点。強烈な映像が、目に焼き付いている。妙な接写の映像とが特に印象的だった。新しい映画の一つの流れを観たような気がした。レオス・カラックス監督の次回作も期待したい。