電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1997-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」

ロバート・フルガム 河出文庫。ベストセラー本ですが、はじめて読みました。ちょっといいエッセイである事は確かだけど、それ以上でもそれ以下でも無い。このほどほどの程度の良さがベストセラーの要因であったのでしょうけど。

「大江戸観光」

杉浦日向子 ちくま文庫。江戸モノを色々と読んでいる。杉浦日向子はやはり欠かせない。「ポップティーン」から「歴史読本」まで、色々な所に書いているのを集めたもので、実に雑学的でまとまりが無いけど、でも面白い。社会思想社現代教養文庫「江戸の戯作絵…

「イタリアからの手紙」

塩野七生 新潮文庫。歴史小説で有名な塩野七生のエッセイ。イタリアものだから読んだのだけど、まあ、ちょっとおばさんっぽくて面白くなかった。ローマの下水は二千年間掃除していなかった、という話は凄かったけど。

「江戸のビジネス感覚 」

童門冬二 朝日新聞社。江戸モノの本は多いけど、この本がちょっと変わっているのは江戸時代の商業に着眼点がある所。日経ベンチャーに書いていたものに加筆しているらしい。だから、ちょっとビジネスマンのおじさん臭いけど、でも江戸研究の本としては面白い…

「秋の花」

北村薫 創元推理文庫。北村薫「空飛ぶ馬」、「夜のセミ」に続く、<私>シリーズの第三作。メンバーも同じ、噺家春桜亭円紫、正ちゃん等など。シリーズ初の長編で、それに初めて死人が出る。高校の文化祭の準備中に、屋上から転落死した女子高生。その謎解きも…

「やがて悲しき外国語」

村上春樹。なかなか面白い。村上春樹のエッセイは安心して読める。知的だし、視点が面白いし、根底では博愛主義な人みたいだし。「やがて悲しき外国語」は外国で生活する日本人がぶつかるちょっとしたエピソードが多い。そんな所から日本と米国の文化批評を…

「初ものがたり」

宮部みゆき PHP文庫。1995年出版の文庫本化。江戸の下町で起こる事件を本所深川の岡っ引きが謎解きをしていく、ミステリー+人情もの。推理自体を楽しむよりも、季節季節の江戸の生活などの雰囲気の方が楽しめる。特に、キーとなる稲荷寿司の屋台で供される食…

「アジア亜細亜-夢のあとさき」

日比野宏 講談社文庫。前作に「アジア亜細亜-無限回廊」という一冊があるらしいが、そちらは未読。アジアの貧乏旅行の本は多いけど、この本では特にアジアのイカサマ野郎たちの話が多くて、これが面白い。勉強にもなる。そんな経験の中でも、アジアを愛して…

「看護婦という生き方」 別冊宝島305

宝島社。数年前の別冊宝島「看護婦の世界」の続編というか、フォロー的な内容。ここ数年の変化とかうまくまとめてある。二交代制実施とか、准看護婦制度廃止、コメディカルとの主導権争いなどなど。もし、「おたんこナース」を愛読しているなら、必読だと思…

「オトナのハッカー読本」世界暗黒電脳列伝

クーロン黒沢、レバノン田中、花井邦春、ポッチン下条。「パナップル・ヘッド」吉本ばなな幻冬社ananに連載していたエッセイ50編のまとめ。ananを読んでいて、最後のページになって、リラックスした気分で読むちょっとしたエッセイにはいいけど、まとめて読…

「仄暗い水の底から」

鈴木光司 角川書店。「リング」「らせん」の鈴木光司によるホラー短編集。全体に水をテーマにした話で、貯水槽、夢の島、お台場などに日常的ではあるけど、都市の隙間の中にある恐怖感を掘り下げたものが多い。中にはホラーでないものもあるが。今まで長編し…

「ザ・クロウ」 - The Crow -

あんまり面白くなかった。ブランドン・リーの遺作となった「クロウ」の続編という位置づけらしいけど、まあ、雰囲気もストーリも似ている。原作のコミックは読んだことないけど、きっと雰囲気は出ているんでしょう。展開に緊張感が感じられないし、あんまり…

「サバイビング・ピカソ」 - Surviving Picasso -

すでにロードショーは終わってしまいましたが…監督はジェームズ・アイヴォリー。「日の名残り」、「ハワーズ・エンド」と考えると、面白いながらも、ちょっとかったるい気がするんだけど、この映画は面白かった。晩年のピカソとその周りの女性たちの物語。本…

「ジャック」 - Jack -

久々のフランシス・フォード・コッポラの監督作品。体が40歳、心が10歳の少年の物語。こう聞くと、最初にトム・ハンクスの出世作「ビック」を思い出すけど、こちらは成長スピードが4倍になってしまっているという、結構シビアな状況の少年。「ビック」の様…

「ひみつの花園」

「裸足のピクニック」の矢口史靖が監督。ちょっと気になる人なので見てきましたが、なかなか面白かった(^^)。西田尚美、利重剛、加藤貴子。とにかく金が好きな女の子が銀行員になり、人質になり…というストーリなんだけど、金好きと言えば「木村家の人々」を…

「ねらわれた学園」

30歳過ぎていてSFが好きだったら、少年ドラマシリーズや眉村卓の原作を知っているでしょう。大林信彦も薬師丸ひろ子主演で映画化してますが、あんまり面白くなかった。どちらかというと手塚眞のキレた演技が凄かったのだけが印象的です。今回はストーリ展開…

「ダンテズ・ピーク」 - Dante’s Peak -

「ツイスター」の後だけに、こう天災パニックものが続いてもしつこいかと思ったけど、そこそこは面白かった。でも、随所に荒さが見えますね。脚本自体も、山に戻るところとか、ちょっと設定的に練られていないなという気がしました。人間関係のエピソードも…

「ファースト・コンタクト」- Star Trek : First Contact -

予想外に面白かった(^^)。劇場版の「スター・トレック」としては、一作目と並ぶぐらいに好きです。全編、あらゆるSFのパロディみたいなもんだけど、贔屓目に見て、よきSFのオマージュと考えておきましょう。使われ方もなかなかよかったし。「スター・ウォー…

「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」 - Nadie Hablara De Nosotras Cuando hayamos Muerto -

何ともネガティブな題名ですが、原題もスペイン語そのままだと思います。スペイン映画で、主演は「キカ」のビクトリア・アブリル。「キカ」は未見なのですが、予告編で見る限りかなりヘンな映画。この「死んでしまったら…」は、ノワール映画かと思ったのです…

「新世紀エヴァンゲリオン・劇場版-シト新生-」

TV版は後半になってからやっと見始めたし、ビデオでちょっと追っかけたけど断片的。まあ、その程度の予備知識。ストーリについては今さら語る事ないけど、全体に面白かった。第一部のダイジェストもかなりうまく雰囲気を出してました。タイトル前の、時間が…

「101」 -101 DALMATIANS- 字幕スーパー版

「101匹わんちゃん」の実写版。オリジナルのアニメとまた違った味があって面白いです。特に、クルエラ役のグレン・クローズがいいです。よくクローズにあんな演技させるなとハラハラするほど、ぐちゃぐちゃにやられてます。ま、ほとんどはスタントだろうけど…

「夜半歌聲-逢いたくて、逢えなくて」

レスリー・チャン主演。彼のファンだらけみたいで、98%は女性の観客でした(^^;)。1930年台の上海を舞台にした「オペラ座の怪人」と「ロミオとジュリエット」を絡めたようなストーリ。レスリー・チャンの出番が少ないかなあと思ったけど、ラスは彼の一人舞台…

「花の影」 - 風月 -

チェン・カイコーが監督、コン・リーが主演の黄金コンビ。おまけにレスリー・チャンまで出てきます。舞台は1930年の上海、蘇州。清朝時代を引きずる封建的な一族というチェン・カイコーがいかにも好きそうな舞台と、上海の都会の対比が面白い。ストーリ的に…

「夏時間の大人たち」

CFディレクター中島哲也の監督。妙な味があってなかなか面白かった。大きな事件は起こらないけど、それが逆にいい。些細な事ではあるけど、本人にとっては大事な事。"逆上がりも出来ないようでは、大人になってもダメな人間になる"と言われ続ける少年が主人…

「いちご同盟」

どうせ死んでしまうんだから、と死生観を持つ中学生、癌におかされた少女、その幼なじみの野球部エース。三人が出会ってからのストーリで、展開的には完全に予測出来てしまうのだけ。でも、いかにも作りが素直で、その辺、好感が持てます。原作は芥川賞作家…

「マーズ・アタック!」 -- Mars Attacks! --

いかにもB級映画な、ホントにその通り(^^;)。ストーリもいかにも安っぽい映画そのままで、あくまでもB級に撤している。それでも、スターの使い方も、アクションも金がかかっている所がいいですね。つまりは贅沢を尽くしたB級映画。偉くなればなんでもやれ…

「百一夜」 -- Les Cent Et Une Nuits

全編、映画へのオマージュ。映画界の大御所シネマ氏(なんだこの安直な名前は(^^;))の、ボケ防止のために映画談義のバイトをする美女カミーユ。まあ、タイトル通りのストーリなんだけど、大した事件もなくひたすらマニアックな映画談義が続く。そこに登場する…

「シャイン」

噂通り、なかなか面白かったです。出だしの引っ張り方がいいです。ブツブツとつぶやく台詞回しでキャラクタをうまく作ってる。あそこで、もう完全につかまれてしまった。で、そこから時間が一気に遡って行くけど、観客は子供時代の主人公の中にも、大人にな…