電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1998-09-02から1日間の記事一覧

「墨攻」

酒見堅一 新潮文庫。「陋巷にあり」1、2を読んで、その勢いで「墨攻」。墨子教団の篭城技術から発想した架空の物語。大国・趙から小国・梁を守るために使わされ墨者の革離。これを原作とするコミック「墨攻」は非常に面白かったが、原作までなかなか読めな…

「風水先生」地相占術の驚異

荒俣宏 集英社。「帝都物語」が出た頃に荒俣宏に会った事がある。その頃は荒俣宏は上海は知っていたけど、香港の風水はほとんど知らなかった。で、リージェント・ホテルの一面のガラスは香港湾への龍脈を切らないようにした為だなんて、香港の風水の事を恐れ…

「陋巷にあり」2 呪の巻

酒見堅一 新潮文庫。「陋巷にあり」1儒の巻に続く第2巻。本編は中国歴史サイキックものとしてますます面白くなってくるし、謎の美女は登場するし…、しかし、やっぱり後書きが面白い(^^)。トータル24ページの後書きは、エッセイとして実に面白い。ここに出…

「陋巷にあり」1 儒の巻

酒見堅一 新潮文庫。酒見堅一は1989年のデビュー作「後宮小説」以来読んでないから9年ぶり。この第1巻は六年前の1992年11月に刊行されていたけど、内容はまるで知らなかった。1992年に「墨攻」「陋巷にあり」1儒の巻で中島淳記念賞受賞。主人公は孔子の最…

「ドラゴン・ティアーズ 」下- Dragon Tears - Dean Koontz

D・クーンツ、文春文庫

「ドラゴン・ティアーズ 」上- Dragon Tears - Dean Koontz

D・クーンツ、文春文庫。最近はキングはつまらない。その分、クーンツが面白いので、モンダホラーはプラスマイナスゼロという状況だけど、このクーンツも面白かった。でも、今までのネタの使い廻しという感じもするけど、文章力はアップしている。「ミスター…

「幻色江戸ごよみ」

宮部みゆき 新潮社文庫。「本所深川ふしぎ草紙」「かまいたち」「震える岩」に続く宮部みゆきの江戸もの。人情モノに怪談話をちょっとくわえた雰囲気で、まあ、安心してそれなりに期待出来る。短編が12編、月一話で一回りする。下町舞台の人情モノと言っても…

「英国解体新書」

岩野礼子 中公文庫。英国のエッセイではあるけれど、これは英国内発行の週間日本語新聞「英国ニュースダイジェスト」に1995/7~1997/12まで連載されていたもの。結構最近のものであるし、何より現地で書かれて現地で読まれているという所が面白い。ちなみに…

「メタルカラーの時代5」

山根一眞 小学館文庫。やはり、技術者としてはこのシリーズをすべて読むのは義務だと思う(^^)。今回は前半が比較的近いかなと思える民生機器寄りの話。極小穴メッキ、ベアリング、8mmビデオの最小ベルト、瞳位置検出などなど。特にキヤノンの瞳検出は、EOS5…

「ホログラム街の女」- Dydeetown World - ☆

F.ポール・ウィルスン、ハヤカワ書房。F.ポール・ウィルスンと言えば、1981年の「ザ・キープ」から「マンハッタンの戦慄」「触手タッチ」「黒い風」「闇から生まれた女」とホラーの大家という印象があるけど、最近は医学サスペンスも書くし、70年代には純粋…

「古本探偵の冒険」

横田順彌 学陽書房。本の雑誌社「探書記」に、「本の雑誌」連載「地獄の資料館」というタイトルで書いていたものを加筆訂正、文庫本特別増補したもの。横田順彌は本来SF作家であるので、「日本SF古典こてん」に出てくる様な話はそれなりに面白かったけど、も…

「神の鉄槌」- The Hammer of God - Authur C.Clarke

アーサー.C.クラーク、映画「ディープ・インパクト」の原案となった小説。原作としての映画化ではなく、アイデアを使っている原案程度の関係である。2109年、太陽に接近しつつある小惑星が八ヶ月後に地球に衝突するという。宇宙船「ゴライアス」が特殊任務で…

「天使の囀り」

貴志祐介 角川書店。平成八年「ISOLA」が第三回日本ホーラー小説大賞長編佳作(「十三番目の人格<ペルソナ>-ISOLA-」に改題)、「黒い家」が第四回日本ホラー小説大賞受賞になった貴志祐介。面白いという事で勧められて借りて読む。貴志祐介の小説はこれが初め…

「永遠も半ばを過ぎて」

中島らも、文春文庫。映画「Lie lie Lie」の原作という事で読む。自動書記する写植屋、詐欺師、アル中の出版者という組み合わせの妙の面白さは映画と同じ。映画「Lie lie Lie」は、ストーリ構成、特に時間の流れがちょっと複雑で、原作から随分と書き換えて…