電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1998-11-02から1日間の記事一覧

「十三番目の人格-ISOLA-」

貴志祐介、角川ホラー文庫。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。多重人格もののホラー。主人公賀茂由香里は人の感情を読むとることが出来るエンパスであり、阪神大震災の被災者の精神的ケアを行っていた。そこで会った森谷千尋が多重人格障害。彼女の治療…

「バーバラ・ハリスの臨死体験」- Full Circlr/The Near-Death Experience and Beyond-

バーバラ・ハリス著、立花隆訳立花隆の名前に引かれて買ってしまったが、これはつまらなかった。立花隆は「脳死」や「臨死体験」を書いているので、それなりに期待したんだけど。ちょうど「天使の囀り」を読んだ直後だったので、臨死体験の本を読みたいと思…

「図書館の美女」- The Only Good Yankee - Jeff Abbott

ジェフ・アボット「図書館の死体」に続く、アボットのシリーズ二作目。図書館館長のジョーダンを主人公とするこのシリーズの本質的な面白さは、舞台が牧歌的な田舎ミラボーという所にある。静かな田舎が全然静かじゃないという面白さに尽きる(^^;)。今回の事…

「大江戸えねるぎー事情」

石川英輔 講談社文庫。10年ぶりぐらいの再読。石川英輔で最初に読んだ本。その後、「大江戸神仙伝」などの小説や、この本と同じ傾向のノンフィクション「雑学大江戸庶民事情」や「2050年江戸時代」みたいなものも読んだけど、結局、これが一番面白い本かもし…

つきじ田村「料理の理」

田村平治・田村暉昭 小学館文庫。四季折々の家庭でも出来る一汁三菜のもてなし料理、取り合わせの妙の即興料理、材料をとことん使いきる料理、おのおののレシピを紹介しながらも、日本料理の本質を織り込もうという努力が見られる所が面白いし、ためになる。…

「江戸の科学者たち」

吉田光邦 現代教養文庫。江戸時代、一般に思われているよりはずっと科学が進んでいた事は色々聞くけど、まとめてある本が少ない。広く浅くまとめてあるこの本は面白かった。算学の関孝和、本草学の稲生若水/小野蘭山、歴学/天文学の渋川春海、測量の伊能忠敬…

「量子宇宙干渉機」- Paths to Otherwhere - James P.Horgan

ジェイムス・P・ホーガン創元SF文庫ホントに久しぶりのホーガンのSF。ポリティカル・スリラーばかり書いていて、もうSF には戻ってこないと思っていたのに。原書ハードカバー出版は1996年。全体には「創世記機械」に似たイメージがある。21世紀、新たな世界…

「贅沢貧乏のマリア」

群ようこ 角川文庫。森茉莉に関するノンフィクション(?)。群ようこでは異色作だと思う。群ようこのエッセイって、最近ではあんまり好きになれなかったけどこれは結構面白い。エッセイの味も半分あるけど、ノンフィクションというのが正しいのか?父森鴎外に…

「種まく人-ヴィラディスト物語」

玉村豊男 新潮文庫。7年間、軽井沢で田舎暮らしをしていたと思ったら、こんどは長野の農園開園顛末記。40過ぎの大病の後、「死に場所を探す」という思いを持つ。長野県東部町に死ぬまでの家を作るという経緯の記録。大変さも判るけど素晴らしさも判る、生と…

「深い河」

遠藤周作 講談社文庫。熊井啓監督で映画化されている。観た覚えはあるんだけど内容はほとんど覚えてない。主演は秋吉久美子、奥田瑛二。原作は1993年刊行、1994年には毎日芸術賞を受賞。遠藤周作なんて読むのはまったく久しぶり。インドのものというよりは、…

「インドの樹、ベンガルの大地」

西岡直樹 講談社文庫。「深い河」「身体にやさしいインド」と、最近、特に理由もなくインドものが続いている気がする。著者は、カルカッタ、ジャドブプル大学ベンガル語学科に留学。留学中に民話収集や植物の調査を行う。この本は、そんな当時の一般庶民との…