電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1998-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「クーデター」

楡周平 宝島社。宗教団体によるクーデター計画。オウムを連想させる内容だけど、ストーリ展開や設定は「Cの福音」、「猛禽の宴」よりは面白かった。でも、竜頭蛇尾。最初の意味深な謎の部分が、展開とともにどんどん判っているくると面白さが半減していく。…

「猛禽の宴」続・Cの福音

楡周平 宝島社。「Cの福音」に比べて、話が広がっている分は面白くなっているけど、相変わらず、まったく危なげない恭介であって、ワクワクするところが少ない。サイコな死体処理屋など、ちょっと流行ネタを入れたかなと思ったけど、ほんと、設定だけだった…

「Cの福音」

楡周平 宝島社。出た当時、凄く話題になっていたけど…読んで見るとそれほどのものかなあと思う。ハードボイルド色としてはちょっと古臭い気がする。大薮春彦タイプの。まあ、「OUT」を読んだ直後だから余計にそう感じるのかもしれないけど。武器の書き込み方…

「ヒュウガ・ウイルス」五分後の世界II

村上龍 幻冬舎。「トパーズ」以来、村上龍からは遠ざかっていたが、「ラブ&ポップ」を読んだきっかけから、少しづつ読んでいくつもり。とりあえず、面白いという噂を聞いている「ヒュウガ・ウェルス」。同じ世界を描いている「五分後の世界」は未読。なかな…

「血の収穫」- Red Harvest -

ダシール・ハメット、創元推理文庫映画「用心棒」の元となったハメットのハード・ボイルド。遥か昔に読んで記憶はある。三船敏郎の死去を機に観返した「用心棒」の記憶が鮮明なうちに、ハメットの小説と比較しておこうと思って、こちらも読み返す。しかし、…

「最新東洋事情」

深田祐介 文春文庫。著者の本は読んで事ないと思うのだけど、文春文庫からだけでも18冊出ている。海外の話のものがほとんど。この「最新東洋事情」の前にも、「新東洋事情」「新・新東洋事情」というのがある。ニュースなどでは判らない、深い部分を書いてい…

「鎮魂歌 不夜城II」

馳星周 角川書店。「不夜城」の続編。主人公の郭秋生、警官の滝沢、楽家麗と、3人の絡んだ関係のスリリングな展開が、テンポよく面白い。「不夜城」ほどのパワーは感じないけど、話自体は緻密になっている。ストーリの背景には楊偉民と劉健一の確執がある所…

「タイムスリップ・コンビナート」

笙野頼子 文春文庫。芥川賞受賞の表題作以外に、「下落合の向こう」、「シビレル夢の水」など。海芝浦、スーパー・ジェッター、マグロ、オキナワ、レプリカントなどなどはっきり言ってよく判らなかった…どーも、文章が性に合わなくて、集中して読めないので…

「くさってもライカ」間違いだらけのカメラ選び別巻1

田中長徳 IPC。第一部、くさってもライカ。第二部、キヤノンユーザー向けの雑誌に連載されたもの。EOSに関するあれこれ。第三部はカメラととものい世界各地を旅した結果生まれたトラベリングカメラ。それぞれ、味があって、カメラ好きには共感出来る所も多い…

「適正露出への挑戦」 現代カメラ新書No.95

カメラレビュー編集部 朝日ソノラマ。写真における露出とは何かをまとめた本として面白い。ただし絶版。ゾーンシステムなどの話から、露出に関する様々な話題を折り込み、特に内蔵露出計の変遷が面白い。1938年の初めてのAEカメラ、コダックのスーパーコダッ…

「やっぱりイタリア」

タカコ・H・メロジー 集英社文庫。イタリア人と結婚した女性誌などのライターをしていた著者が書く、イタリアでの生活に関する様々な話題。特に食べ物の事が多いのが気に入って読み始める。読み始めると、食べ物の話が多いどころか90%は食べ物の話(^^;)。レ…

「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」

三池崇史監督、千原浩史、千原靖史、鈴木紗理奈、中島ひろ子。ナイナイが主役やった前作でも感じたけど、このシリーズ、監督も俳優も凄くのびのびとやっていて、肩ひじ張った所が無く、気分よく観られる。千原兄弟も鈴木紗理奈もいい演技しているし、分度器…

「鬼火」

望月六郎監督、原田芳雄、片岡礼子、愛川翔、北村康。ちょっと雰囲気は重かったけど、面白かった。古いタイプの殺し屋、原田芳雄が出所、今のヤクザの世界には肌が合わない。ストーリ的には平凡ではあるんだけど、原田芳雄の渋さだけで十分に映画は持ってい…

「燃えよピンポン」

三原光尋監督、高田聖子、鴨鈴女、萩原圭、重定礼子。第七回日本映画プロフェッショナル大賞の上映で観る。東京では初の上映(16mm)。OLが社運をかけて卓球で勝負する。王子様的エリート(?)の取り合いもあるけど、ナンカその王子様が情けない。最後の対決はよ…

「CURE」

黒沢清監督、役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈。再観。第七回日本映画プロフェッショナル大賞の上映で観る。最初に映画を観てから、原作を読んで、今度映画を観たが、あんまり印象は変わらない。ただ、ラストの方は、最初観た時よりはずっと判り…

「Touch タッチ」- Touch -

エルモア・レナードが原作、未読。ポール・シュレーダー監督、スキート・ウーリッチ、ブリジット・フォンダ。手を触れるだけで病人を治す力を持つ主人公。それを使って一儲けを企む、プロモータと詐欺師。演技はみんな悪くなかったけど、なんか展開にテンポ…

「ブエノスアイレス」

ウォン・カーウァイ監督、クリストファー・ドイル撮影、トニー・レオン、レスリー・チャン、チャン・チェン。ゲイカップルのストーリ。明確なストーリが有るわけでもなく、言ってみれば痴話げんかの数々を映画化してたと言ってもいい。「覇王別姫」があるか…

「アルビノ・アリゲータ」- Albino Alligator - ☆

「ユージュアル・サスペクツ」のケビン・スペイシーが監督、マット・ディロン、フェイ・ダナウェイ、ゲイリー・シニーズ。「アル・パチーノのリチャードを探して」で知ったけど、ケビン・スペイシーは本質には舞台の人だと思う。この映画も、最初は映画的な…

「ビーン」- Bean -

メル・スミス監督、ローワン・アトキンソン。ロンドンのナショナル・ギャラリーの監視員のビーンが何故か米国出張を命じられる事から起きるドタバタ。「ビーン」が密かにブームになっていたのは、短編の機内上映だと思う。私もそうだった。去年に夜中でシリ…

「ウルトラニャン2」

「ウルトラマンディガ&ウルトラマンダイナ」の併映。ま、どーでもいいアニメ。環境破壊、食品添加物など、時事ネタを入れているのは好感持てるけど、ま、大した面白さは無い。

「ウルトラマンディガ&ウルトラマンダイナ」

小中和哉監督だからちょっと観る気になって行った。本物指向で、面白いという噂もあったので。新「ガメラ」シリーズが、怪獣映画を徹底的に本格化すれば、どれだけ面白いものが出来るかを証明した。この「ウルトラマン…」にもちょっと期待していたんだけど、…

「ナイスガイ」 - 一個好人 -

「ファイナル・プロジェクト」に続く、ジャッキー・チェンの新作。サモ・ハン・キンポーの監督。今回は何故かオーストラリアが舞台。ジャッキーは料理番組のホスト。でも、何故かカンフーが強い(^^;)。偶然に美女を助け、ギャングの秘密のテープが紛れ込み、…

「アミスタッド」- Amistad -

スピルバーグ監督、モーガン・フリーマン、アンソニー・ホプキンス。「シンドラーのリスト」に続いて、実話をベースにした作品。確かにハードな内容ではあるけれど、スピルバーグらしいエンターテイメント性も十分にある。観客を楽しませるという点では、「…

「トゥモロー・ネバー・ダイ」- Tomorrow Never Dies -

ピアース・プロスナン、二度目のジェームス・ボンド。いままで以上、アクション尽くめの展開が心地いい。最初から最後までアクションばかり。それぞれに趣向があって面白い。新ボンド・カーBMWでのカー・アクションや、バイクでの逃走劇など盛りだくさん。そ…

「長靴をはいた猫」

1969年、矢吹公朗監督のリバイバル上映。しかし、今になって何故(^^;)?。ペローの童話が原作になっている事や、脚本を井上ひさしが書いている事よりも、宮崎駿が原画を描いているという事の方が有名になっているかもしれないけど…東映動画の中ではもっとも面…

「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」

捉えられていた鉄郎を救い、999号で新たな旅に出るメーテル。松本零士の書き下ろしによる新シリーズだけど、新たな旅への始まりだけで、なんとも物足りない。時間もわずか54分。始まったと思ったら終わりで、あれこれだけ、って感じ。随所にCGを使っているけ…

「PERFECT BLUE」☆

今敏監督、江口寿史がキャラ原案、大友克洋もスタッフになっている。一言で言えば元アイドルを主人公としたサイコ・サスペンスだけど、なかなか面白い。脚本がいい。脱アイドル宣言をした主人公の回りで事件が起こりはじめる。主人公の精神の描き方も事件を…

「マウス・ハント」 - Mouse Hunt -

相続したオンボロ屋敷を売り払おうとする兄弟が、邪魔者のネズミを退治するドタバタ。ネズミの演技がいい。「ベイブ」のスタッフがやっているそうだから、CGも組み合わせているんだけど、ほとんど判らないほど上手い。本当に見事としかいいようが無い。スト…

「コップランド」- Cop Land -

社会派ドラマの割には、かなり豪勢なスターたち。シルヴェスター・スタローン、ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテルなど。NY市警の警官が多く住む、川を渡ったニュー-ジャージーの街が舞台。誤射事件、もみ消し、と段々と街の腐敗が明らかになってい…

「フェイス/オフ」- Face/Off - ☆

非常によかったです。まさにジョン・ウー印。サングラスにロング・コートをなびかせるニコラス・ケイジの姿なんか、そのまま挽歌シリーズのチョウ・ユンファ。この映画はジョン・ウーの映画だよ、って印が出ているみたいです。他にジョン・ウー的美学と言え…