電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-09-02から1日間の記事一覧

「マンハッタン少年日記」- The Basketball Diaries - Jim Carroll

ジム・キャロル、晶文社。ディカプリオ主演の映画「バスケットボール・ダイアリース」(未見)の原作。60年代のニューヨークの下町、著者のジム・キャロル自信の13歳から16歳までの日記。盗み、喧嘩、麻薬の日常であっても、妙に純真な所もあり、その複雑な心…

「日本のみなさんさようなら」

リリー・フランキー 情報センター出版局。週間ぴあに連載していた「あっぱれB級シネマ」に加筆改稿したもの。帯には「これは映画評ではありません」とある。確かに、映画評とは言えないかもしれない。色々な映画を通じて、エッセイを書いている感じ。すべて…

「超能力のトリック」

松田道弘 講談社現代新書。歴史的には19世紀終わり頃の降霊会からユリー・ゲラーまで。内容も、スプーン曲げ、霊媒、テレパシー、予知能力など、さまざまな超能力のトリックを解説する。興味がある人には楽しめる本。

「ためらい」- La Peticence - Jean-Philippe Toussaint

ジャン=フィリップ・トゥーサン。息子をベビーカーに乗せ友人宅を尋ねる主人公。意味ありげな猫の溺死体も実は意味無く、何か事件が起こりそうで何も起こらない。いつものトゥーサンのそのままであるが、より、何も起こらなくなった気がする…。でも、なんと…

「玩具修理者」

小林泰三、角川ホラー文庫。小林泰三の第一回作品集。表題の「玩具修理者」は第二回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。「玩具修理者」は雰囲気があってなかなかいいのだけど、死者の再生というテーマ自体は、それほど新鮮味は無い。もう一編の「酸歩する男…

「悪魔のワルツ」☆- The Mephisto Waltz - Fred M.Stewart

フレッド・M・スチュワート、角川ホラー文庫。1971年3月に刊行された単行本の文庫本化。本国での出版は1969年で、著者のデビュー作。主人公のクラークソンはピアニストになる夢を捨てて、フリーのルポライターとなっている。インタビューをきっかけに世界的…

「おもしろ科学こーなっている!365のQ&A」

ジャロン・B・マグレイン、三田出版。サイエンスもの。嘘っぽいのもあるし、古いものもあるけど、まあ、楽しめる。やや生物関係に片寄っていて、物理、数学などは少ない。著者は、エンサイクロペディア・ブリタニカの物理部門の編集者、執筆者なのに…。

「柔らかな頬」☆

桐野夏生、講談社。「OUT」から二年たった、書き下ろし。謎の別荘地幼児失踪事件。「私は子供を捨ててもいいと思ったことがある」という主人公カスミ。事件を追うのが余命半年の癌宣告を受けた元刑事(34歳)の内海。人間の視点を変えて、それぞれの心理を描写…

「陋巷にあり」5妨の巻

酒見堅一、新潮文庫。中弛みっぽいというか、どうもイマイチ。今回は事件がほとんど起こってない。なんか4徒の巻からダラダラ続いているだけど、肝心の主人公も悪役もあんまり出てこない(^^;)。今後の展開に期待と言ったところか。

「落下する夕方」☆

江國香織 新潮文庫。面白かった。映画「落下する夕方」原作。ストーリは映画とほとんど同じ。静かな展開でありながら、時々の張り詰めた緊張の上手さは映画そのまま。映画の追体験ではあるのだけど、同じ様に楽しめた。原作が先にあるのだから、映画化が上手…

「きらきらひかる」

江國香織、新潮文庫。映画化しているけど未見。主人公の笑子はアル中、結婚した睦月はゲイ、紺はその恋人。面白かったけど、「落下する夕方の方」が好きかなあ。どうもここまで行ってしまうと、なんか、無理に泥臭い関係を奇麗に描いている様な気がする。リ…

「旅と道具-豊かな旅を創るハードとソフト」

佐貫亦男、朝日文庫。タイトルからは、旅行における荷物とか、そーいう話だと思っていた。確かに目次には、履物、服装、カメラ、写真と並んでいるのだが、どうも中身は違っている。著者は1908年生まれ。すでに二年前に亡くなっているがまったく爺さんの昔話…