1999-11-02から1日間の記事一覧
貴志祐介 角川書店。書き下ろし。前作「クリムゾンの迷宮」はイマイチ好きになれなかったけど、この本は前半は凄くいい。人間がうまく出ていると思う。17才の殺人者、櫛森修一。舞台は鎌倉、湘南あたり。働く母を気づかい、妹を思い、離婚した父を憎む。家庭…
メアリ・H・クラーク 角川文庫。画廊で働く主人公ジェニーは、夫と別れ二人の子供と苦しい生活をしている。新進画家のエリックと知り合い結婚、ミネソタの広い農場で暮らすことになるが…。そこからの展開が、ヒッチコックの「レベッカ」「サイコ」などに似て…
ジェフリー・ディーヴァー。今年「フリッカー」を読んでなければ、文句なくナンバーワン。面白かった。リンカーン・ライム・シリーズ第一弾。首から下は左手の薬指一本しか動かせない四肢麻痺、元ニューヨーク市警の科学捜査本部長、世界最高の犯罪学者ライ…
羽仁進。小学館文庫。面白かった。「本の窓」連載の「親子のための世界史」に、書き下ろし原稿を加え1994年に「羽仁進の世界歴史物語」で単行本化し、さらに加筆改題して文庫本化したものが本書。基本は非常にうまくまとめられている上に、十字軍により野蛮…
ステファニー・フォール 、マクミラン・ランゲージハウス。このシリーズ結構面白そうなので買ってみる。米国文化については、情報がかなり多いので、色々と判っているつもりでも、こうまとめて読むと興味深い。「もっぱらの関心事は金と健康」、「話を額面通…
ロビン・クック ハヤカワ文庫。再読。昔読んだのを忘れて、また読んでしまった。おまけに、映画も観ているのに。最初に読んだ時も結末は結構早いうちに判ってしまったけど、ストーリ展開もテンポよくて、それなりに面白い。
ジム・トンプソン 河出文庫。ジム・トンプソンを読むのは初めて。映画「ゲッタウェイ」の原作は有名であるけど、翻訳されているのはほとんど無い。「安物雑貨店(ダイムストア)のドストエフスキー」と称される、とか紹介されている。でも、この意味は確かに本…
メアリ・H・クラーク、新潮文庫。主人公メンリー・ニコルズは、娘を踏切事故で亡くしたPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む児童文学作家。18世紀に建てられた船長の家、リメンバー・ハウスで療養、執筆するメンリーが、様々な奇怪な現象に直面し自分を失って…
寺崎央+フジテレビ「ワーズワースの冒険」 扶桑社文庫。フジテレビの番組「ワーズワースの庭」をベースにまとめた既刊「ワーズワースに庭で」の続編。まあ、蘊蓄の塊であるけど、その内容は銀座の洋食、餃子、アジアの粥、焼肉、ヤキトリ、エスプレッソなど…
石川英輔、田中優子。講談社文庫。「大江戸えねるぎー事情」の石川英輔、「江戸の想像力」の田中優子の共著。江戸的意識ではボランティアな行動が当たり前であり、タイトルのボランティという言葉もちょっとヘンな気がする。江戸時代の共同生活的な住空間で…
小関智弘、小学館文庫。現代書館「町工場の人間地図」「町工場の磁界」の二冊をベースにしたのが本書。山根一眞「メタルカラーの時代」などを読んで、日本の産業技術の基幹が、町工場にある事はよく判ってきた。この本は、そんな町工場の技術にスポットを当…