電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-12-02から1日間の記事一覧

「日蝕」

平野啓一郎、新潮社。第120回芥川賞受賞作品。異端信仰の嵐吹き荒れるルネッサンス前夜の南フランスが舞台、神学者が主人公。錬金術、異端審判、魔女裁判などが絡みあった展開。文書自体は凝っていて面白いのだけど、中身が薄いと思う。これが「薔薇の名前」…

「暗闇に過去がよみがえる」- Still Watch - Mary Higgins Clark

メアリ・H・クラーク、新潮文庫。父と母を失った悲しい過去の事件が起きた家に、主人公パットが戻ってくる。アメリカ初の女性副大統領指名を目指す、上院議員アビーのTV番組を作るためであった。美しく才能があり、そして過去の事件に傷を持つ女性が主人公で…

「グリーン・マイル6 闇の彼方へ」- The Green Mile 6, Coffey on the Mile - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。余韻があるラストが素晴らしい。実に人間味がある。老人の現在と回想という手法も実にうまく生きている。過去キングの最高傑作と言ってもいいと思うほど面白かった。名作と言ってもいいと思うけど、分冊という形式では失敗…

「グリーン・マイル5 夜の果てへの旅」- The Green Mile 5, Night Journey - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。ストーリが一気に展開していく。面白い。過去と現在の関係も段々判ってくるし、ホラーでありながら、深い人間ドラマになっている。恐さは無い。素晴らしい。

「グリーン・マイル4  ドラクロワの悲惨な死」- The Green Mile 4, The Bad Death of Eduard Delacroix - Stephen。King

スティーヴン・キング、新潮文庫。うーむ、めちゃくちゃ面白い。この書き込みの上手さはさすがにキング。特に電気椅子の描写の上手さは抜群。

「グリーン・マイル3  コフィーの手」- The Green Mile 3, Coffey’s Hand - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。コフィーの手、タイトルそのままの部分でストーリが段々見えてくる。ホラーめいた味が出てきて面白くなってきた。ストーリが進むにしたがって、コフィー、ドラクロアなどの人間も生き生きした感じがしてくる。

「グリーン・マイル2  死刑囚と鼠」☆- The Green Mile 2, The Mouse of the Mile - Stephen King

スティーヴン・キング 、新潮文庫。「グリーン・マイル1」を読んで、余りに面白くなかったので、このシリーズは断念していたが、通して読んだ周りの人の意見を聞くとみんな絶賛している。とりあえず、2は1ほど詰まらなくはなかった。少なくとも、2でやは…

「日本人のまっかなホント」

J・ライス/嘉治佐保子/浜矩子 マクミラン・ランゲージハウス。このシリーズも日本人となると、あまりに知りすぎているので、他とまた違う面白さになる。海外からどう思われているかを理解するという面ではいい本かも知れない。当たり前の事を海外の目から観…

「ネットフォース」

トム・クランシー/スティーブ・ピチェニック、角川文庫。背にはトム・クランシーの名前しか無いのはずるい。実際には共著。多分クランシーが担当しているであろうミリタリー・サスペンスの部分は面白いけど、コンピュータ部分はやっぱりイマイチな感じがする…

「悪童日記」-Le Grand Cahier- Agota Kristof

アゴタ・クリストフ 早川書房時代背景や場所は明らかにはしてないが、オーストリアに近い国境付近のハンガリーの田舎町、二次大戦の終わり頃、主人公の双子の子供の日記風の構成になっている。著者はハンガリー動乱を機に西側へ亡命している。全体が20世紀の…

「フランス人のまっかなホント」☆

ニック・ヤップ/ミシェル・シレット マクミラン・ランゲージハウス。イタリア編と同じで、フランスは旅行に行った事があるので、適度に知っていて面白い。何かにつけてスノッブ、官能的で恋愛に異常に情熱を注ぐ、遅刻の常習犯、食事にかけるエネルギーの膨…

「イタリア人のまっかなホント」

マーティン・ソリー マクミラン・ランゲージハウス。シリーズのイタリア編。このシリーズは面白い。旅行に行っていた事がある位の、適度に知っている国だと面白い。イタリア人の好奇心の旺盛さ、快楽主義、家族主義なトコが判る。食事にうるさい快楽主義で、…

「カヌー犬・ガク」

野田知佑 小学館文庫。1997年にフィラリアで死去したガクの話をまとめたもの。野田知佑の著書から、ガクに関するものを抜き出しや、書き下ろしを加えて編集しなおしたもの。まあ、それほど思い入れがある訳でも無いけど、野田知佑の自然観、動物観の判るエッ…

「リボーン」☆- Reborn - F.Paul Wilson

F・ポール・ウィルスン 扶桑社ミステリー売れないホラー作家、ジム・スティーブンスが遺伝学で有名なハンリー博士の遺産相続人に指名される。そこから明かされるジムの出生の秘密…。遺産絡みのホラーの設定は、ちょっと「悪魔のワルツ」を連想させる。「ロー…