電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「姑獲鳥の夏」

京極夏彦、講談社。京極夏彦は今までなんとなく避けていた作家で、これが始めて読む一冊。前半で認知論や、憑き物、量子力学と話が飛ぶ所、蘊蓄をたれるところは結構面白い。肝心のトリックもそれほど面白くないし、探偵の京極堂にも魅力が無いし、なぜにこ…

「第四の母胎」- The Fourth Procedure - Stanley Pottinger

スタンリー・ポティンジャー、新潮社。肝臓が抜き取られ、ベビー・ドールを埋め込まれた死体が見つかるという猟奇殺人事件から物語は始まる。犯人は中絶クリニックの爆破犯であり、中絶問題からジェンダーへと問題は広がる。中盤はかなりダレて飽きてしまっ…

「今日は死ぬにはもってこいの日」- Many Winters - Nancy Wood

ナンシー・ウッド、めるくまーる。米国での出版は1974年。著者がニューメキシコのタオス・プロブロ・インディアンとの交流から、その言葉をまとめたもの。西欧的な価値観から大きな隔たりがあるために米国では新鮮な感じで受けとめたのだろうけど、日本人な…

「日本国の研究」☆

猪瀬直樹、文春文庫。 文藝春秋1996年11月号~1997年1月号連載、単行本化は1997年、文藝春秋読者賞受賞。猪瀬直樹 は信用できるジャーナリストの一人。この本も凄く面白かった。行革を妨げるもの、官僚国家の日本の暗部を暴いている。話は各方面に渡り、すべ…

「江戸アルキ帳」

杉浦日向子、新潮文庫。サンデー毎日に1985年7月28日号~1988年1月31号までに連載されたもの。タイムマシンで江戸時代に行き、散歩するという設定。特に有名な場所でも無く、また事件がある訳でもない、実に日常的な所がいかにも散歩っぽくてよい。文章半分…

「閉鎖病棟」 ☆

帚木蓬生、新潮文庫。 面白かった。帚木蓬生と言えば、1993年の吉川英治文学新人受賞作「三たびの海峡」を読んでかなり面白かったという記憶はあるのだが、それ以降は読んだ事なかった。舞台は精神病院。現役精神科医の著者だけあって、患者である登場人物を…

「ラ・ヴィタ・イタリアーナ」-La Vita Italiana -

坂東眞砂子、集英社。「La Vita Italiana」は直訳すれば「イタリアの生活」(ちなみに映画「ライフ・イズ・ビューティフル」は「LaVita e Bella」)。坂東眞砂子は「死国」「狗神」「蛇鏡」とホラーばかり読んでいるが、これはイタリアに関するエッセイ。日本…

「東南アジアの屋台がうまい!」

長崎快宏、PHP文庫。「アジア笑って一人旅」の著者。1992年発刊「食は東南アジアの屋台にあり」の文庫本化。題名から屋台グルメものと思っていたが、内容は単なるアジアの貧乏旅行モノ。それも平凡な中身。P31では「京都麺」を「香港人がイメージした日本料…

「アジア笑って一人旅」

長崎快宏、PHP文庫。内容的には、低予算のアジア旅行術。安い食事や宿探しから、旅行者や現地の人々との交流などにも主眼をおいている。地域的にはマレーシア、シンガポール、タイが主。著者は海外で「味の素」というニックネームを自称しているらしいが、味…

「アジア道楽紀行」

森枝卓士、ちくま書房。 森枝卓士は「アジアラーメン紀行」(徳間書店),「食の旅アジア」(TBSブリタニカ)を読んだ事があるが、前の貧乏臭い旅行から一転、大人のための道楽なアジアの旅についての旅行案内。しかし、元が貧乏臭いだけに、どうもイマイチ中途半…

「誰かが見ている」- A Stranger is Watching - Mary Higgins Clark

メアリ・ヒギンズ・クラーク、新潮文庫。「子供たちはどこにいる」に続いて読む。二年半前に妻を殺されたスティーブが主人公。一人息子と恋人を誘拐される…。面白い…けど「子供たちはどこにいる」とパターンが一緒。過去の犯罪にトラウマに持った主人公が、…

「子供たちはどこにいる」- Where are the Children - Mary Higgins Clark

メアリ・ヒギンズ・クラーク、新潮文庫。メアリ・H・クラークを読むのは、多分、初めて。初出は1977年10月に河出書房新書より単行本になったものなので、結構古い。確かに文章や構成のスタイルも、古い印象を受ける。最近の作家なら、もっと膨らまして三倍ぐ…

「買ってはいけない」

週間金曜日、別冊ブックレット。面白かった。この本で生活が随分と変わってしまった。「週間金曜日」の連載企画「買ってはいけない」の96/12~99/4にとりあげた「おすすめできない商品」。ジャンルも食べ物、飲み物、洗剤、化粧品、薬、雑貨などなど広い範囲…

「フリッカー、あるいは映画の魔」 ☆- Flicker - Theodore Roszak

セオドア・ローザック、中靖訳、文藝春秋。とてつもなく面白かった…。この数年で読んだ小説の中ではベスト。去年の「このミス」のNo.1だったので楽しみにはしていたが、これほど面白いとは思ってもいなかった。自分にとってはこれほど面白い小説は一生のうち…

「アクセプタブル・リスク -許容量-」- Acceptable Risk - Robin Cook

ロビン・クックハヤカワ文庫NVロビン・クックの新刊を追っかけてたのは、11作目の「ブラインドサイト」あたりまで。久しぶりの、この「アクセプタブル・リスク」はクックの15作目。ロビン・クックは、いつも完成度としては高く安心出来る。面白かった。セー…

「ゴールデンボーイ」 - Apt Pupil -

ブライアン・シンガー監督、スティーブン・キング原作、イアン・マッケラン、ブラッド・レンフロ。16歳の優等生のトッドは(ブラッド・レンフロ)は密かにホロコーストに興味を持っている。偶然に、元ナチス将校クルド・ドゥサンダー(イアン・マッケラン)を発…

「もういちど逢いたくて/星月童話」-

星月童話 Moonlight Express -ダニエル・リー監督、レスリー・チャン、常盤貴子。恋人を失った瞳(常盤貴子)が、死んだ恋人とそっくりの潜入捜査の刑事ガーボウ(レスリー・チャン)と香港で出会う。瓜二つ、そして潜入捜査、香港映画お得意のシチュエーション…

「メイド・イン・ホンコン」-

香港製造 -フルーツ・チャン監督脚本、サム・リー、ネイキー・イム、ウェンバース・リー。香港、借金取りを仕事にチンピラ同然の生活をする若者のチャウ(サム・リー)は相棒のロンと飛び下り自殺した娘の遺書を拾う。また、重病の少女ペンと知り合う事により…

「交渉人」- The Negotiator -☆

F・ゲイリー・グレイ監督、ジェイムズ・デ・モナコ/ケビン・フォックス脚本、サミュエル・L・ジャクソン、ケビン・スペイシー、デイビッド・モース、ロン・リフキン、ジョン・スペンサー。「ネゴシエーター」と同じ、立て篭った犯人との交渉役のプロ、ローマ…

「学校の怪談4」

平山秀幸監督、奥寺佐渡子脚本、豊田眞唯、広瀬斗史輝、笑福亭松之助、原田美枝子。夏休みで海辺の町の田舎へやってきた兄妹、恒と弥恵。その町では昔、大津波で学校にいた子供達が死んだという事件があった…。「学校の怪談」シリーズの監督は1、2は平山秀…

「お受験」

滝田洋二郎監督、一色伸幸脚本、矢沢永吉、田中祐子、西村雅彦。食品会社勤務で実業団のマラソン選手でもある富樫真澄(矢沢永吉)が主役。妻(田中祐子)が娘の私立小学校の受験に熱心な一方、富樫真澄は会社からリストラされてしまう。彼はマラソンへの夢を捨…

「スター・ウォーズ エピソード1ファントム・オブ・メナス」☆- Star Wars EPISODE I The Phantom Menace -

ジョージ・ルーカス監督脚本、リーアーム・ニーソン、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド。わざと期待を押さえていたというか、落胆に備えて期待してなかったのでかなり面白かった。銀河共和国の通商連合は、惑星ナブーを武装艦隊…

「ホーホケキョ となりの山田くん」

高畑勲監督脚本、いしいひさいち原作。声優は朝丘雪路、益丘徹、荒木雅子、宇野なおみ。いしいひさいちのコミックのアニメ化であるが、「もののけ姫」のヒットに続くジブリの作品としての注目度が高い。劇場で構えてみる程の映画かというと疑問はあるけど、…

「八月のクリスマス」

オ・スンウク監督、ハン・ソッキュ、シム・ウナ。写真館を営むジョンウォン(ハン・ソッキュ)、駐車違反取り締まりのタリム(シム・ウナ)。韓国のこの二人の不治の病+恋愛もの。不治の病らしい悲しさを微塵も出さない主人公が凄い。いつも、妙にニコニコしっぱ…

「豚の報い」

崔洋一監督、又吉栄喜原作('98年芥川賞受賞)、小澤征悦、あめくみちこ、上田真弓、早坂好恵。沖縄の大学生の正吉(小澤征悦)が、知り合いのホステス三人の厄払いに生まれ故郷の島へ帰る。しかし、彼には海で死んだ父の遺骨を埋葬するという目的があった…。崔…