電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

2000-08-02から1日間の記事一覧

「クミコハウス」☆

素樹文生 求龍堂。著者の前々作の「上海の西、デリーの東」みたいなアジアの旅の話。全体に話の流れみたいなモノは無く、バラバラな旅行エッセイ風。文章は簡潔に、より洗練されて面白くなっている。しょっぱなの中国の公衆便所の話、簡潔ではあるがその凄ま…

「インターネットは空っぽの洞窟」

SILICON SNAKE OIL, Second Thoughts on the Infomation Highway。- Clifford Stoll、クリフォード・ストール 倉骨彰訳 草思社。随分と話題になった本ではあるけど、やっと読んだ。インターネットの問題点を指摘した本は多くあるけど、どれも内容に乏しくて…

「マーシャとダーシャ」☆ - Masha and Dasha - Masha,Dasha。

マーシャ/ダーシャ、ジュリエット・バトラー編武者圭子訳 講談社1950年、旧ソ連のモスクワに生まれた結合性一卵性双生児(シャム双生児)、マーシャとダーシャの姉妹。二人が交互に語り、自身の言葉をまとめた自伝。共産圏では、"障害者など居ないものとして扱…

「逆さめがねが街をゆく 上下逆さの不思議生活」

ナカニシ出版 吉村浩一 川辺千恵美。読むまで知らなかったが、著書の川辺は大学の隣の学科の人だった。彼女の意匠工学専攻の修士論文、「違和感を求める遊びについて-上下反転メガネ体験を通じて」がこの本の元になっている。認知科学などでよく使われる逆さ…

「おかしな男 渥美清」☆

小林信彦 新潮社。「波」に1997年4月号~1999年12月号に連載されたものを、加筆修正しまとめたもの。1996年8月に没した渥美清との交流、記録。人間としての渥美清が判って面白い。才能ある努力家、インテリをおそれている、無邪気さ、計算高さ、上昇指向、肉…

「添乗員奮戦記」

岡崎大五 旅行人。「意外体験!イスタンブール」を読んで、ツアコン小説というジャンルの岡崎大五が気にいった。著作は数冊しか出してないので総て読むつもり。これは添乗員時代の体験をベースにした、多分フィクション。実話がどの程度混ざっているか、脚色…

「自閉症だったわたしへ」☆ - Nobody Nowhere - Donna Williams。

ドナ・ウィリアムズ 河野万里子訳 新潮文庫TVの特集で、ドナ・ウィリアムズを取り上げていたのを観て、是非読みたかった本。自閉症の著者自身が子供の頃からの自分を振り返り、自閉症という正体が判りにくい病気を克明に描き出す。外界に対する感覚の違い、…

「民族世界地図」

浅井信雄 新潮文庫。「アメリカ50州を読む地図」に続いて浅井信雄の本。世界を国という切り口ではなく、民族という切り口で読む本。民族と紛争は切っても切れない関係になっている。民族について考える事が世界的な平和へと繋がると考えると、民族という視点…

「永遠のジャック&ベティ」

清水義範 講談社文庫。十数年ぶり、二回目。古本屋で懐かしくって買って読んでみたが…。出版されてすぐに読んだ時は、抱腹絶倒で電車の中では恥ずかしくて読めなかったほどだったのに、なんでこんなに面白く感じないのだろう。時代のせいか、単に二回目だか…

「だから、潰れた!-新人OKが見た倒産までの波瀾万丈」

山本ちず 詳伝社黄金文庫。「ソラミタコトカ 会社つぶれてしもたがな!」(フォレスト出版)の文庫判化。著者のホームページの内容を書籍化したもので、いかにもWeb的な文章でチャチな感じがするけど、内容は面白い。ワンマン経営、会社の金がオンナ(それも本…

「T.R.Y.」

井上尚登 角川文庫。第19回横溝正史賞正賞受、「化かして荒波」の改題。明治時代の終わり、主人公は詐欺師の伊沢修。伊沢が仕掛ける、中国革命同盟、陸軍参謀、子爵、清朝皇族までを巻き込んだ詐欺事件の物語。明治という時代設定は面白いが、雰囲気は完全に…

「科学にわからないことがある理由-不可能の起源」

Impossibility:The Limits of Science and the Science of Liits。- John D.Barrow、ジョン・D・バロウ 松浦俊輔訳 青土社科学の限界について様々な角度から述べている。あまりに範囲が広いために散漫な印象を与えるが、面白かった。神学的な神の存在と不可…

「過去カラ来タ未来」

FUTUREDAYS/A Nineteenth Century Vison of the Year 2000。text by Issac Asimov,Illustrations by Jean Marc Cote アイザック・アシモフ著 パーソナルメディア1899年商業芸術家ジャン・マルク・コテはシガレットカードのイラストを玩具メーカーから請け負…