電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

Book

「あなたにもわかる相対性理論」

茂木健一郎。相対論の本というよりは、アインシュタインを主人公にした科学エッセイ。一応、10のアインシュタイン力として、反発力、見えないものを見る力、信じる力、自立力、方程式力、浮世離れ力、粘り強く考える力、平等力、ユーモア力などをこじつけて…

「ヘヴン」

川上未映子。斜視のせいでロンパリと同級生の二ノ宮や百瀬にいじめられるボク、14歳。同じクラスの女子のコジマも家が貧乏で不潔という理由で女子たちからいじめられていたが、ある時、コジマとボクは秘密の手紙をやり取りするようになる…。芥川賞受賞作「乳…

「オー!ファーザー」

伊坂幸太郎。高校生の由起夫は母と4人の父の6人家族。4人の父はギャンブル好きの鷹、格闘マニアで中学校教師の勲、元ホストの葵、大学教授の悟。母の長期出張中、由起夫は奇妙な事件に巻き込まれていく…。伊坂幸太郎初の新聞連載小説。荒唐無稽な設定を、素…

「床下の小人たち」

メアリー・ノートン。英国の古風な家の床下に借り暮らしをする小人のアリエッティたちの一家。ある時、アリエッティはその家の男の子に姿を見られてしまうが…。映画「借り暮らしのアリエッティ」(id:zom-1:20100722#p1)の原作。比較的同じ展開や設定ではある…

「神様のカルテ」

夏川草介。24時間、365日対応、慢性的な医者不足の信州の病院で働く栗原一止は、夏目漱石と山岳写真家の妻ハルを愛する内科医。一止に母校の医局から誘いの声がかかるが…。緊急医、地方医療、終末医療などの問題を提議している社会派な部分は評価出来るし、…

「SOSの猿」

伊坂幸太郎。家電量販店の店員・遠藤二郎は、ひきこもりの青年・眞人の「悪魔祓い」を依頼される。桑原システムの社員・五十嵐真は一瞬にして300億円を損失した株誤発注事故の原因を調査する…。そういう風に話がつながるのか、というホラ話的驚きは良かった…

「武士道シックスティーン」

誉田哲也。普通の高校生、早苗の剣道部に、時代錯誤の剣道エリート・香織が入部してくるが…。同名映画(id:zom-1:20100508#1)の原作。青春小説という感じ。やや展開が地味だけど、読みやすく面白い。剣道に関しては、映画の方が面白く感じた。 http://www.ama…

「プリンセス・トヨトミ」

万城目学。会計検査院第六局所属の松平、鳥居 、旭ゲーンズブールは実地検査のために大阪を訪れるが、社団法人OJOの検査には失敗する。一方、茶子の幼なじみの大輔は、夢だったセーラー服で空堀中学へ登校する事にするが…。明治維新時の条約、大阪国という壮…

「誘拐ラプソディー」

荻原浩。借金まみれで前科持ちの伊達秀吉は、自殺にも失敗。偶然知り合った金持ちの子供・伝助を誘拐しようとするが…。同名映画(id:zom-1:20100408#p1)の原作。人間味もあってエンターテイメントで悪くない。映画は原作の雰囲気を上手く出しているとは思うが…

「植物図鑑」

有川浩。20代半ばの会社員、河野さやかはある晩、自宅マンションの植え込みにうずくまっている若者イツキを見つける。所持金が底をついたイツキは宿泊のお礼に朝食を作り、家事全般を引き受ける…。読み始めてから、なんじゃこりゃ少女漫画か携帯小説か、と思…

「イタい女」の作られ方 自意識過剰の姥皮地獄」

中村うさぎ。モテ自慢、顔、スタイル自慢など身近なイタイ女を見つめたエッセイ。「イタい女」にならぬため自虐的なまでな「姥皮」(民話、醜い老婆に変身する衣)が必要、という視点は面白い。雑誌のエッセイという感じで、まあ、中村うさぎのエッセイはいつ…

「ボトルネック」

米澤穂信。二年前の死んだ恋人の諏訪ノゾミを弔うために東尋坊にやってきたリョウは、強い眩暈に襲われ崖下に落下したはずだったが、気がついたのは金沢市内。家に戻るとそこには、存在しないはずの姉サキがいた…。ライトノベルで読みやすくはあるのだけど、…

「明日をどこまで計算できるか?「予測する科学」の歴史と可能性 」

デイヴィッド・オレル。予測の科学について、天気、医学、経済の三分野での詳細。広い視点からの分析は、雑学的というか科学史的に面白い。将来における、予測技術という部分での示唆が少なかったのは残念。現状でのジャーナリズム的視点かな。 http://www.a…

「ティッピング・ポイント - いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」

マルコム・グラッドウェル。あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間=ティッピング・ポイント、がいかにして起こるかを分析、解説する。例としては1990年代ニューヨークの犯罪発生件数が5年間で6…

「蝦蟇倉市事件」1

年間15件もの不可能犯罪が起こる、海と山に囲まれた蝦蟇倉(がまくら)市の犯罪物語。道尾秀介「弓投げの崖を見てはいけない」、伊坂幸太郎「浜田青年ホントスカ」、大山誠一郎「不可能犯罪係自身の事件」、福田栄一「大黒天」、伯方雪日「Gカップ・フェイント…

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々-盗まれた雷撃」

リック・リオーダン。米国寄宿学校に通う12歳のパーシー・ジャクソンは、ギリシャ神話の神々の息子のひとりであると告げられ訓練キャンプに入れられる。そして、ゼウスとポセイドンの争いを止めるために、友人グローバーとアナベスと共に旅に出る…。映画「パ…

「代替医療のトリック」- Trick or Treatment ? -

サイモン・シン、エツァート エルンスト。代替医療の効果についての検証。特にホメオパシー、鍼治療、カイロプラティック、ハーブ医療について、詳細に徹底的に検証する…。かなり面白かった。曖昧な効能というモノをここまで徹底的に分析した事は評価出来る…

「パレード」

吉田修一。都内のマシンションにルームシェアする四人、大学生の亮介、映画会社勤務の直輝、雑貨屋店員の未来、芸能人の秘密の恋人の琴美の元に、男娼のサトルが加わるが…。第15回山本周五郎賞受賞作、同名映画(id:zom-1:20100228#p1)の原作。流れも印象もほ…

「あるキング」

伊坂幸太郎。プロ野球仙醍キングスの熱烈ファンな両親の元に、南雲慎平太監督が死んだ日に生まれた山田王求(おうく)の物語…。正直、どこも面白い所が無かった。こんな風に感じたのは伊坂作品では初めて。キャラ的にも魅力が感じられなかった。シェークスピア…

「Nのために」

湊かなえ。都内のマンションで会社員の野口貴弘とその妻の奈央子が殺害される。東京の古びたアパート野バラ荘に住む三人、小さな島出身の杉下希美、努力家の安藤と、小説家志望の西崎、そして杉下と同じ島出身の成瀬慎司たちの証言による事件の全容…。読みや…

「リクルート事件・江副浩正の真実」

江副浩。リクルート事件の当人による証言。一方的な話でしかないので、どこまで信用していいのか分からないが最近読んだ「検察の正義」(id:zom-1:20100324#p3)などの内容を考え合わせて読むと非情に恐ろしい。特に、P207の検察庁と自民党のつながり、は驚き…

「猫を抱いて象と泳ぐ」

小川洋子。唇が閉ざされて生まれてきた少年、お気に入りの場所はデパートの屋上で一生を終えた象のインディラの檻の前。少年は回送バスに住む巨漢の男マスターからチェスの手ほどきを受け、やがて海底チェスクラブで人形の中に入りリトル・アリョーヒンとし…

「1Q84」BOOK1,BOOK2

村上春樹。青豆はスポーツインストラクターであり暗殺者。天吾は数学の予備校教師であり小説家を目指している。天吾は新人賞に応募された「空気さなぎ」のリライトを編集者の小松から依頼され、その作者の深田絵里子、ふかえりと会うが…。文句無く面白い村上…

「生き残る技術-無酸素登頂トップクライマーの限界を超える極意」

小西浩文。8000メートル峰世界14座の無酸素登頂を目指している(現在6座)著者によるビジネス書。執着じゃなく集中、下りの油断、絶望からの立ち直り、部下の間違いの指摘、メンバーの見切りなどなど。クライマーとしては凄いかもしれないが、その極限状態をビ…

「週末起業サバイバル 」

藤井孝一。起業と言っても、終身雇用が見込めなくなる時代の生活防衛としての起業。仕事をしながら副業で週末起業してて、軌道に乗ったら退職というのは確かに正しいのだろう何か納得出来ない。「社会を変えるを仕事にする」(id:zom-1:20080105#p4)の社会起…

「なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望」

山田昌弘。2005年からの週刊東洋経済のコラムをまとめたもので、一貫した趣旨で論理展開しているわけでもなく全体にはまったくまとまりが無い。統計データも豊富で部分的には面白い話題もあるけど、時事ネタなどはすでにタイムリーでなくなっているものなど…

「IN」

桐野夏生。自身の恋愛を元にした「淫」という物語を書こうとする小説家の鈴木タマキは、かつて愛人に嫉妬し狂乱した妻を描いた小説「無垢人」の関係者を訪ね歩くが…。「IN」というからには「OUT」と対になる面白さがあるのかと思ったが、これはまるっきり面…

「IQ200になる習慣」

苫米地英人。エフェカシー(自己効力感)を高める、コンフォートゾーン(気持ちよくなる場)を整える、大人は月100冊本を読む、などなど。最強の子育て本、という話だが根拠がない方法論と著者の自慢話ばかり。ほとんど内容が無い。子育て本なら「その子育ては科…

「デジタル社会はなぜ生きにくいか」

徳田雄洋。わかりにくい操作、突然の不具合、巧妙な詐欺などのデジタル社会の問題点とそれに対する心構え。著者があげている問題点は、変化の速さや完成度の低さや社会制度不備などが主であって、それはデジタル社会の住みにくさではなく現代社会の住みにく…

「ほかならぬ人へ 」

白石一文。財閥の家系に生まれながらスポーツ用品メーカーに就職した宇津木明生は、キャバクラで知りあった美人のなずなと結婚。しかし、なずなは昔の恋人でパン屋の真一の元へ戻り、明生は先輩の東海倫子に相談するが…の「ほからなぬ人へ」。グローバル電気…