電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「12万円で世界を歩く」

下川裕治 朝日文庫。「アジアの旅人」、「アジアの誘惑」の下川裕治出世作(?)。1988年から週間朝日に連載していたらしいが、その時はまるで知らなかった。とにかく12万円で世界各地に行く、この過激な貧乏旅行を一月に一回こなした体力は、ちょっと想像を絶する。その貧乏さもさる事ながら、旅行の内容の想像力もなかなかのもの。長崎から船で長江(揚子江)の終点まで、北京発ベルリン行き列車28日間世界一周、神戸から現代のシルクロードアテネまで、それぞれテーマがある所が素晴らしい。貧乏、退屈、苦痛が旅のほとんどを占めているだろうが、それを除けばこのコースはみんな面白そう。現在は航空券も下がり、10万円ぐらいで可能になるらしいが、それをやる人がいるかどうか…。