電子竹林:Blog

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「マサチューセッツ工科大学」☆ -Up The Infinite Corridor - by Fred Hapgood

フレッド・ハプグッド 、新潮文庫。単純なMITの本かと思っていたけど、これは面白かった。エンジニアリングの歴史に関わる事柄を朱珍に、もっと複雑に絡む多くの内容を含んでいる。エンジニアは読んでおくといい本だろう。1995年刊行だというのに今まで知らなかったのは残念。最近までエンジニアの地位がずっと低かったという意識は無かったが、確かに戦後の事かもしれない。第二次世界大戦終結が結果的に科学力によったものであった事が影響し、科学の地位向上する。それでも、文科系文化のハーヴァードはMITを「職業専門学校」と侮辱する所なんかオカシイ。特に次の言葉…「物質の世界にかかわるのは、詩的想像力をも包含する自然の世界にかかわるのにくらべて、知的にも精神的にも劣っているという信念は、ハーヴァードの時計であり羅針盤でもある」エンジニアの根本的気質、鉄道模型クラブ、コンピュータの出現とナードの文化、ナノテクノロジー、マイクロマウス・コンテストの話なんてのもある、話題は豊富。第8章ではネグロポンテ率いるメディア・ラボについて語っている。実は四年ほど前に会社にネグロポンテが講演に来た事があるが、驚いた事に、聴講者のほとんどが彼の事を知らなかった…(^^;)。