電子竹林:Blog

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「「バースディ」

鈴木光司角川書店。「空に浮かぶ棺桶」「レモンハート」「ハッピー・バースデイ」の三部からなる。最初の「空に浮かぶ棺桶」は初出は新潮社「七つの怖い扉」の中の一作で、もともとは独立した中編。それぞれ、「らせん」の舞、「リング」の貞子、「ループ」の礼子が主人公となり、タイトル通り、生命の誕生をテーマにしている。全体にホラー色は薄い。「リング」的なホラー色を求めて読むと期待外れになるだろう。鈴木光司は父性の作家。つまり、これは男から女へ視線を変え、母性を強く意識した作品作りになっている。物語的には、「レモンハート」は面白かったけど、他のはイマイチ。「リング」の一連の世界観としても、特に目新しい感じはない。