電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「MISSING」

本多孝好 双葉社。ジャンルも判らずに読みはじめたけど…、一応、推理小説なのかな。5つの短編。「眠りの海」、第16回小説推理新人賞受賞作。自殺した男、それを助けた少年が会話の中から過去の事件を明らかにする。ファンタジックな感じだけど、読み終わってみると推理ものとして成立している不思議な感じ。「祈灯」、幽霊ちゃんと呼ばれる妹の友達の過去の事故を明らかにする…これも終わってみると推理モノにななっている。「蝉の証」、祖母の頼みである男の事を調べていくうちに、明らかになる過去の事件…構成としてはハードボイルドを意識しているのか?「瑠璃」、破天荒な性格の4つ年上のいとこ、ルコとの思い出。「彼の棲む場所」、図書館員の主人公が,今は有名な大学教授の同級生に18年振りに会う事になる。会話の中から明らかになる過去の事件…。文体は村上春樹風で透明感がある、過去の事件が明らかになるというパターンで一貫性がある。まあ、軽くて印象は薄いけど、面白くは読めた。