電子竹林:Blog

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「リプリー」 - The Talented Mr. Ripley -

アンソニー・ミンゲラ監督脚本、パトリシア・ハイスミス原作、マット・デイモンジュード・ロウグウィネス・パルトロウケイト・ブランシェットフィリップ・シーモア・ホフマン。トム・リプリー(マット・デイモン)は造船業界の大物ハーバート・グリーンリーフに頼まれ、帰らない息子のディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻しにイタリアへ出掛ける。モンジベロの海の近く、作家の卵マージ(グウィネス・パルトロウ)と暮らすディッキーにトムはひかれて行く…。リメイクという事で、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」と比べてしまうが、あまり共通点を感じない。原作をちらりと眺めた感じでは、「太陽がいっぱい」も「リプリー」も原作とはかなり違って、基本的な設定だけが同じようである。俳優陣は凄い。主演のマット・デイモンは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」でアカデミー主演男優賞にノミネート、脚本賞を受賞後に「プライベート・ライアン」、「ラウンダーズ」、「ドグマ」とノリにノッている俳優。その他、「ガタカ」、「イグジステンズ」のジュード・ロウ「セブン」、「大いなる遺産」、「スライディング・ドア」、「恋におちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトロウ、「エリザベス」のケイト・ブランシェット、「マグノリア」、「ハピネス」のフィリップ・シーモア・ホフマンと、わき役に至るまで物凄いスターばかり。しかし、その割にそれぞれのキャラクタが光ってはいないのが寂しい。ストーリとしては、同性愛という切り口が逆に面白くなかった。リプリーが持つ、底知れない複雑な心境というのを、単純にしてしまっている気がする。暗い心の奥底というものを一生懸命表現しようはしているけど、成功はしていない。