電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「既死感」上 ☆- Deja Dead - Kathleen Reiches -

キャスリーン・レイクス 山本やよい角川書店エドガー賞新人賞ノミネート、カナダ推理作家協会最優秀処女長編賞受賞。舞台はカナダのケベック、主人公テンペランス・ブレナンは法人類学者、骨の専門家であり、法医学研究所に勤務する。被害者の骨の鑑定をもとに、連続バラバラ殺人事件にいどむテンペ…。著者もシカゴ生まれ、ノース・カロライナ大学教授で、ノース・カロライナとケベックで骨の鑑定を専門にしている。作者そのままが環境を小説にしているので、細部のリアリティなどはさすがに上手い。コーンウェルの「検屍官」シリーズを意識している気がする。この小説には、コーンウェルを最初に読んだ様な新鮮さを感じた。ミステリー性は低く、ストーリ自体も大きな驚きは無いが、ディティールとハードボイルドな展開は面白い。文章には訳注が多いのが気になる。もっと文に入れ込んでしまっていいのに。あと結末の様々な部分を一気にセリフで説明しているのはちょっと興醒め。