電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「脳のなかの幽霊」☆

Pantoms in the Brain:Probing the Mysteries of the Human Mind。-V.S.Ramachandran and Sandra BlakesleeV.S. ラマチャンドラン サンドラ・ブレイクスリー 山下篤子訳 角川書店脳の働きと認知、意識という問題を判りやすく解説している、面白かった。始まりは幻肢(Phantom Limb)、幻肢は「火星の人類学者」、「妻を帽子と間違えた男」などにも出てくるが、患部である腕が無くなっても痛みだけが残るというのは確かに驚き。中に出てくる自分で簡単に試す事が出来る盲点の実験など、簡単で有りながら人間の認知がいかにいい加減かが判って面白い。盲点では切れた直線がつながって見える、切れたスポークが収束して見えるようになるなど、実際に体験すると驚き。サヴァンの話題も出てくる。そしてクオリア問題(あるいは主観的感覚問題)、"身体や意識は脳が作り出した幻影"であるという意味は考えさせる。まとまりは無く、内容的には発散しているけど後味がいい。