電子竹林:Blog

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「考えるものたち-MITメディア・ラボが描く未来」- When Things Start to Think - Neil Gershenfeld

ニール・ガーシェンフェルド 中俣真知子訳 毎日新聞社MITメディアラボの目指すものを解説。内容的には「ビーイング・デジタル」の方が面白いけど、実際のプロジェクトの例が上がっていて、具体的に理解しやすい。カオス理論、エージェント、ニューラルネットワーク、ファジー、誤解との戦い、産業界と関係などなど。特にヨーヨー・マのチェロの共同プロジェクト、デジタル版ストラディヴァリウスの話は面白い。コンピュータがテクノロジーであってチェロはテクノロジーでは無いという思い込み、ストラディヴァリウスをデジタル化するという試みへの反発など、テクノロジ以外の障害の大きさが判る。ネットを使うモノの数が人間を越えている現在、モノが持つ問題をモノ自体に組み込み、人間が自由になる必要がある。「ものユーザー権利の章典」として次の様にまとめている。* 情報が欲しいときに、欲しい場所で、欲しい形態で入手できる* 欲しくもない情報を送受信することから守られている* テクノロジーのニーズに気を配る必要なく、それを使える