平山秀行監督、桐野夏生原作、原田美枝子、倍賞美津子、室井滋、西田尚美、香川照之、間寛平。
東京郊外の弁当工場に勤める4人、夫のリストラにより家族離散状態の香取雅子(原田美枝子)42歳、痴呆症の義母の看護に疲れる吾妻ヨシエ(倍賞美津子(51歳、ブランド狂いで借金まみれの城之内邦子(室井滋)40歳、ギャンブル狂の夫に暴力を受ける山本弥生(西田尚美)30歳。弥生の夫殺しを隠蔽する事に端を発し、四人は死体の処理の影の仕事を受けよう事になるが…。原作に思い入れがあるので、映画化されたものの余りの印象の違いに驚いた。雅子のハードボイルドな美意識は微塵も感じられない。これは桐野夏生の世界では無い。全体の暗いトーンが平山秀行らしいが、いい味にはなってない。それぞれの心理の奥底が見えてこない、まったく不満足。ところで、ヨシエが夢見る「オーロラ・ファンタジー」はホントのオーロラじゃなくてレーザー光線でのショーらしいんだけど、なんかうら淋しいんでないか?