電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「共感覚者の驚くべき日常」

リチャード.E.シトーウィック。精神科医の著者が、"チキンのとがりが足りない"と知り合いのマイケルがつぶやくのを耳にして共感覚/synesthesiaに興味を抱き、基礎調査、仮説、実験計画、実験を展開させ理論を固めていく本人自信による記録。翻訳もこなれ説明が平易で分かりやすく、それでいて脳のしくみ、感覚認知、理性と情動、医療のあり方(画像診断偏重の批判)など広い内容。検査でマイケルの脳血流量が平均的人間の許容下限より下な事が分かる所は驚いた。共感覚の座は大脳の皮質ではなく辺縁系にある(皮質=理性、辺縁系=情動)。ヒトは皮質が極端に発達した動物では無い、皮質と辺縁系が共進化してきた。共感覚は誰でも持っている正常な脳機能であるが意識に登る人は一握りしかいない、無意識(辺縁系)な行動の重要性…まさしく脳を主人公としたミステリーの様な本。共感覚者と言えば、ラマチャンドランのキキ・ブーバー(Kiki-Booba)実験(id:zom-1:20051027#p5)が気になるトコだが。(memo:意味微分法=セマンティック・ディファレンシャル法)、(memo:アリストテレスの共通感覚:カモンセンシブル、言語がリンク)

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