電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「椿山課長の七日間」

河野圭太監督(「小ぎつねヘレン」)、川口晴脚本、浅田次郎原作。勤務先のデパートで突然死した椿山課長(西田敏行)は、妻と息子(須賀健太)、老人ホームの父親(桂小金治)など心残りばかり。天国と地獄の中間地点・中陰役所で椿山課長は和山椿(伊東美咲)となり現世に戻る事になるが…。原作は朝日新聞連載で話題だったらしいが未読。天国モノや蘇りモノにありがちな単純な泣かせ映画と思ったが、これはなかなか面白かった。性別も年齢も違う本人と化身という複雑さ、それが作るコメディ性、残された人々の思いが次々と明らかになる。隠された謎の引っ張り方は上手いし、そのパズルのはまりも奇麗。ラストへのエモーションの作り方はなかなか良い。伊藤美咲西田敏行に見えてくる、いままで観た伊藤美咲の中では一番良かった。30年ぶりの映画出演の桂小金治もいい味が出ていた(すでに80歳)。中陰役所のあの世システムが「大霊界」っぽい。

http://www.tsubakiyama.jp/