電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「バベル」- Babel -

アレハンド・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、ギジェルモ・アリアガ原案脚本。夫婦の絆を取り戻すためのモロッコ旅行で、リチャード(ブラッド・ピット)の妻スーザン(ケイト・ブランシェット)が銃弾に倒れる。米国のリチャードの家では子守の女アメリアが息子の結婚式のためにメキシコに旅立つ。日本の聾唖の女子高生チエコ(菊地凛子)は日々、いら立ちを感じている…。テーマは分かりやすく、タイトル通りにコミュニケーションの不全。人間の悲劇は悪では無く、コミュニケーションのズレが生み出す愚かさである。その愚かさを人間の運命として冷徹な目でとらえる続ける。「21グラム」 (id:zom-1:20040626#p1)より強いメッセージ性は、世界規模で起こっているコミュニケーション不全に対して発しているようだ。菊地凛子の暴発寸前、終止、目がすわったは演技は怖い。それが最後のカタルシスに上手くつながり、見事な役所を担っている。かなり面白かった。