フォン・シャオガン(馮小剛)監督。唐王朝滅亡後の古代中国、五代十国の戦乱の時代。皇帝が謎の死を遂げ、美しく聡明な王妃ワン(チャン・ツィイー/章子怡)は新皇帝となる亡き夫の弟リー(グォ・ヨウ)との結婚に同意する。そして、呉越の地で隠遁生活を送っていた皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)にも暗殺の手が伸びる…。「ハムレット」を下敷きにし大筋と人物的配置は似ているが、脇役のガートルード王妃が主役だし、雰囲気や心理的な部分はかなり違う。アクションも派手でいいし、衣装、美術は特筆すべき素晴らしさだが、どこに視点を置いたらいいかが不明確な物語の展開が、全体を単調な印象にしている。オフィーリア的立場のチンニー役ジョウ・シュン/周迅がいいが、活躍の場は少なく残念(尼寺にも行かないし、水にも浮かばない)。
