電子竹林:Blog

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「母べえ」

山田洋次監督、野上照代原作。昭和15年(1940)東京、母(吉永小百合)を母べえ、父・滋(坂東三津五郎)を父べえ、娘の初子(志田未来)を初べえ、照美(佐藤未来)を照べえと呼ぶ仲睦まじい野上一家。突然、思想犯として捕らえれた父のために、父の教え子の山崎(浅野忠信)は奔走するが…。黒澤明スクリプター野上照代が少女時代を綴ったノンフィクション(「父へのレクイエム」の改題)。重苦しい時代背景の物語に、小気味よい笑いを混ぜた山田洋次の演出は冴えている。ベタな泣き笑いだが観客(年齢層は かなり上)を上手く掴んでいる。吉永小百合母べえは無理無く似合ってはいるが、他の女優で観たかった気もする(吉永小百合のクロールはちょっと見所)。子役の志田未来佐藤未来の可愛さはいいアクセント。最後は山田洋次とは思えないような所で、スパっと切っていて驚いた。こんな後味でいいのだろうか。

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