電子竹林:Blog

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「君のためなら千回でも」- The Kite Runner -

マーク・フォスター監督、デイヴィット・べニオフ脚本、カーレド・ホッセイニ原作。米国で生活を送るアミール(ハリド・アブダラ)の元に懐かしい人から電話がかかってくる。少年時代のアミール(ゼキリア・エブラヒミ)は、ソ連侵攻前の平和なアフガニスタンの裕福な家に生まれ、召使いの子供のハッサン(アフマド・ハーン・マフムードザダ)と兄弟の様に暮らしていた…。これは文句無く傑作、今年のベスト10入りは確実。舞台となるアフガニスタンの首都カブールの平和な時代、ソ連侵攻、タリバン政権下という語られる事がなかった世界は衝撃的。大きな歴史的うねりの背景の中でも中心となるテーマは過ち、許し、償いという極めて人間的なもの。だからこそ観客の心を打つ。ラストへの思いがけない展開と緊張感の出し方も巧み。戦闘機のドッグファイトみたいな迫力で描き出す、凧揚げ合戦はいいアクセントとなっている。いい映画だった、マーク・フォスターの代表作となるだろう。

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