古厩智之監督、坂田信弘/中原裕原作。長崎県波切島、雄介の父は過って海に落ちた奈緒子を助けようとして命を落とす。やがて"日本海の疾風”と呼ばれる天才ランナーになった雄介(三浦春馬)と奈緒子(上野樹里)は偶然に再会するが…。予告編はダメダメな雰囲気が漂っていたが予想よりはずっと良かった。原作コミックは一部分しか読んでいないが、知っている限りではかなり大胆に刈り込んで高校駅伝中心に人物と物語を再構成している。結果的にはそれが成功して、駅伝の見せ場などは丁寧に描き、クライマックスに向け上手く盛り上げている。コーチは西浦監督(笑福亭鶴瓶)だけなので根性論が強いが、大山権太を入れて科学的にしていれば短距離から駅伝にいきなり転向という不自然さはなかったと思う。なぜかタイトルの奈緒子の出番が少ないのも原作通り。笑福亭鶴瓶は力が抜けていい演技だった。
