電子竹林:Blog

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「Sweet Rain 死神の精度」

筧昌也監督、伊坂幸太郎原作「死神の精度」。いつも雨にたたられ、ミュージックを愛し、CDショップに入り浸る死神の千葉(金城武)。"実行"(死)か"見送り"(生かす)かを今回判定するのは、あるメーカーの苦情処理係の藤木一恵(小西真奈美)だった…。原作(id:zom-1:20060202#p2)は伊坂幸太郎で最初に読んだ作品なので個人的には印象的な作品。映画では伊坂作品のスタイリッシュな会話、シニカルなユーモア、繊細なヒューマニズムが薄まってしまっている。ミステリっぽさも少ない。原作収録の「死神の精度」、「死神と藤田」、「死神対老女」を繋げた物語だが、その連なりもちょっとあからさま過ぎる。吹越満光石研と個性的な中堅を揃えているが活きてはいない。小西真奈美がほとんどノーメイクで幸薄そうな感じは良い。金城武も素で浮き世ばなれしている感じも悪くない。この監督は初めて観たけど、全体的に脚本と演出の問題で原作の面白さを殺している印象。伊坂はこの原作の映画化をずっと断ってきたそうだが、死神役が金城武という事で承諾したらしい。こんな映画化じゃあ、やはり後悔しているだろうなあ。

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