電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ブラインドネス」-Blindness-

フェルナンド・メイレレス監督、ジョゼ・サラマーゴ原作「白い闇」。運転中に目の前が真っ白になり視力を失った日本人の男(伊勢谷友介)に始まり、次々と視力を失っていく人々。元精神病院に強制的隔離された患者たちの中に眼科医(マーク・ラファロ)の妻(ジュリアン・ムーア)だけが感染を免れていた…。読みにくい文体に閉口したが原作(id:zom-1:20080923#p2)は感動的。同じノーベル文学賞作家ゴールディング「蠅の王」の様な極限での人間の心のあり方の描写が素晴らしい。裸とセックスと糞尿にまみれた原作に比べると映画は1/10ぐらいおとなしい。頑張って素直に映画化したと誉められてもいいだろう。文字でなら触覚や嗅覚が直接的に響くが、映画で視覚的に描写されると弱い。繊細な心理描写も少なくて不満だが、時間的にはしょうがないか。ラジオのシーンは美しくなかなか良かった。(サングラスの娘(アリス・ブラガ)はなぜ途中からサングラスを外す?)

http://blindness.gyao.jp/