ラッセ・ハルストレム監督。米国郊外のベッドリッジ駅、旅行から帰ったばかりの大学教授パーカー・ウィルソン(リチャード・ギア)は日本から送られた秋田犬の子犬を保護する。名札の「八」の文字からハチと名付けられ妻ケイト(ジョーン・アレン)の反対の中飼う事になるが、やがて夕方5時になると駅前でパーカーを出迎えるのがハチの日課となる…。1987年松竹の新藤兼人監督脚本「ハチ公物語」のリメイク。どう考えても苦笑してしまうリメイク企画なんだけど、監督が「サイダーハウス・ルール」、「ギルバート・グレイブ」など名作も多いラッセ・ハルストレムなので多少の期待もある。ストーリ展開は大筋では同じなんだけど、エモーションの作り上げ方、犬の視点、映像の構成などでは新藤兼人版を遥かに上回る。日本からの犬という設定を使い、東洋的な神秘さや武士道的な忠義心を盛り込んでいるのも上手い。パっとしないけど、意外に悪く無い映画ではあった。
