電子竹林:Blog

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「セントアンナの奇跡」- Miracle at St.Anna -

スパイク・リー監督、ジェイムズ・マクブライド原作脚本。現代のNY、郵便局で職員が男性客を射殺する事件が発生。犯人の部屋から16世紀フィレンツェのサンタ・トリニータ橋の彫像の頭部が見つかる。その謎は1944年、第二次大戦下のイタリア・トスカーナにさかのぼる。米国軍黒人部隊バッファロー・ソルジャー、リーダーのスタンプス(デレク・ルーク)、ビショップ(マイケル・イーリー)、無線兵ヘクター(ラズ・アロンソ)、トレイン(オマー・ペンソン・ミラー)の四人はドイツ軍との前線で孤立。トレインは少年アンジェロ(マッテオ・シャボルディ)を助けるが…。セントアンナ虐殺事件、サンタ・トリニータ橋の爆破などを背景にしている。古臭い演出もあるし、2時間50分は長く冗長な部分も多いとは思うけど,全体には悪くない話。最初の事件の謎で引っぱる構成は上手いと思う。背景は複雑で、1943年に降伏しすぐに元同盟国ドイツへ宣戦布告したイタリア、その中でのファシストパルチザン、米国軍の黒人部隊など入り乱れている。黒人を差別する米国のために戦い、やって来たイタリアでは黒人が差別されないという皮肉な点が面白い。

http://www.stanna-kiseki.jp/