電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ゴールデンスランバー」

中村義洋監督、 伊坂幸太郎原作。宅配便ドライバーの青柳(堺雅人)は大学時代の友人・森田(吉岡秀隆)に呼び出されるが、金田首相の仙台パレード中に暗殺事件が発生。犯人に仕立てられ現場から逃走する森田だが、その事件を元恋人の晴子(竹内結子)はニュースで知る…。2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞受賞作品の原作(id:zom-1:20090117#p2)はかなり好き。原作は事件発生、視聴者の視点、20年後、逃走と複雑に展開させる構成の面白さがあったが、映画は比較的素直な逃走劇。そこに回想を上手く入れ込み原作の味わいを出し、さらにラストの巧みさで 原作ファンにも納得な仕上がり。ハリウッドなら「エネミー・オブ・アメリカ」なパワーの逃走劇になりそうだけど、人情味がある浪花節、どこかファンタジーの様な逃走なのが邦画的で面白い。ビートルズの楽曲を使ってないのは残念だが、それだけで予算が吹っ飛びそうだからしょうがないか。キルオ役の濱田岳がなかなか良かった、この人は見た目と違ってかなり器用だ。「アヒルと鴨のコインロッカー」(id:zom-1:20070627#p1)、「フィッシュストーリー」(id:zom-1:20090411#p1)と三作連続で中村義洋+伊坂幸太郎は成功している。これは奇跡的。

http://www.golden-slumber.jp/