電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「廃墟に乞う」

佐々木譲。映画「笑う警官」(id:zom-1:20091205#p1)で原作は面白いのだろうと興味を持って「警官の血」を読もうと思っていたら、結局はこの短編集を先に読んでしまった。ある事件のPTSDにより休職中の道警刑事・仙道が主人公。オーストラリア人が多い別荘地ニセコでの殺人事件「オージー好みの村」、13年前と酷似した風俗嬢殺人事件と炭坑の極貧の生まれの男「廃墟に乞う」、博徒と漁師の村での兄の刺殺事件「兄の想い」、行方不明の娘を探す父「消えた娘」、 牧場主殺人事件の背後の親子関係「博労沢の殺人」、帯広のレストランオーナーの殺人事件「復帰する朝」の6篇。ミステリー的な面白さは弱いが、人物と土地の描き方は非常に面白い。その暖かい視線も好感が持てる。他の本も読んでみたい。

http://www.amazon.co.jp/dp/4163283307