熊澤尚人監督、椎名軽穂原作。長い黒髪から"貞子"というあだ名で呼ばれている黒沼爽子(多部未華子)は、入学式の日に出会った風早翔太(三浦春馬)に好意を寄せる。クラスに馴染めなかった爽子も、やがて千鶴(蓮佛美沙子)とあやね(夏菜)と仲良くなっていく…。世間的にはコミック原作のアイドルものという印象しかないだろうが、個人的には監督が「虹の女神」(id:zom-1:20061104#p1)や「おと・な・り」(id:zom-1:20090530#p1)の熊澤尚人なのでかなり期待があった。結果的に素晴らしく面白かった。これほどストレートな純愛ものを素直に描けるところに才能を感じる。さらに多部未華子の演技が素晴らしく良い。台詞が地味な分、細かな表情で表現していく演技は見事。今までの映画の中ではベストかも。蓮佛美沙子も三浦春馬も悪くないのだけど、多部未華子の前では影が薄くなってしまっている。映像もなかなかいい。三浦春馬の疾走する自転車の逆光の映像とか、切ないほどに美しい。
