電子竹林:Blog

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「一枚のハガキ」

新藤兼人監督脚本原作。太平洋戦争末期、中年兵として招集され天理教会の掃除任務をしていた松山啓太(豊川悦司)ら100名の兵士は、次の赴任地をくじ引きにより決められた。フィリピンに送られる仲間の森川定造(六平直政)が妻・友子(大竹しのぶ)からの葉書をちゃんと受け取り読んだ事を、松山はいつか伝える事を約束するが…。「石内尋常高等小学校 花は散れども」(id:zom-1:20081011#p2)以来の作品で、99歳の本人いわく最後の作品。戦争の重いテーマを軽妙に描くスタイルは、相変わらずの新藤兼人。金をかけずにそれなりの物語を上手く作り、テーマもいいし笑いの入れ方も巧み。ベタな演出だけど、まあ、さすがに教科書的な上手さはある。新しさや冒険はないけど、これだけ作れれば立派。最後の方の黒澤明を連想させるのも前作と同じ。役者は豊川悦司大竹しのぶ六平直政柄本明川上麻衣子と役者は「…花は散れども」とまったく同じなのか。

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