山田洋次監督。瀬戸内海の島に住む平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)は子供たちを訪ねに東京に出てくる。開業医の長男・幸一(西村雅彦)の家に美容院経営の長女・滋子(中嶋朋子)、舞台美術の次男・昌次(妻夫木聡)たち家族が集まるが、忙しい子供たちは両親の面倒も見られない。そして、昌次のアパートを訪ねたとみこは昌次の恋人・間宮紀子(蒼井優)を紹介されるが…。小津「東京物語」のオマージュというよりはほぼリメイク。台詞やカットまで同じ部分が多いので、すぐにhuluで「東京物語」と比較してみた。熱海を横浜に代えたりする、"そう来たか～"感は楽しい。この映画はかなり好きで感動的だけど、それは「東京物語」の普遍的なテーマの再現でしかない。観客の年齢層がかなり高かったが、この映画こそ若者に見て欲しいし、これをきかっけに「東京物語」も見て欲しい。「東京物語」が戦後8年というのは改めて驚かされる。そしてこの映画では戦争の代わりに震災の影が出てくる。原節子と比較するのも可哀想だけど、蒼井優では台詞の重みがやはり違う、力不足かも。
