電子竹林:Blog

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「小さいおうち」

山田洋次監督、中島京子原作。生涯独身だった布宮タキ(倍賞千恵子)が亡くなり親類の健史(妻夫木聡)は遺品から自叙伝を見つける。昭和初期、タキ(黒木華)は山形から東京の小説家の家へ奉公へ出て、そして山の手の平井家へ移る。そこは玩具会社専務の雅樹(片岡孝太郎)、妻の時子(松たか子)、一人息子の恭一の三人家族、そこへ新入社員の板倉正治(吉岡秀隆)が遊びにくるが…。原作未読。全体には山田洋次らしく手堅い演出。微妙な感情表現も上手い。地味で人気なさそうだけど、今だからこの映画の存在意義は感じる。昭和初期、日中戦争の世界を庶民からの視点が新鮮。それに違和感を感じる健史との対比により上手く観客の心に入ってくる。すっごく地味な黒木華だけど、なかなか魅力的だと思う。

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