矢口史靖監督脚本、三浦しをん原作「神去なあなあ日常」。平野勇気(染谷将太)は大学受験に失敗、偶然に見つけた林業研修生パンフレットの美女にひかれて三重県の神去村へとやってくる。勇気は中村林業で研修をするが、パンフレットの美女が飯田ヨキ(伊藤英明)の義理の妹の直紀(長澤まさみ)だと知る…。オリジナル脚本にこだわっていた矢口史靖が、初の原作の映画化というのが最初に驚き。だけどこの原作自体、ポイントの絞り方が監督には合っている題材かもしれない。男の一人の成長物語としてもいいし、林業も丁寧に描き、48年に一度の神事オオヤマヅミへのラストの盛り上げ方も上手い。予算が少ないチープな面はあるけど、全体にはいい出来かもしれない。この10年ぐらいで監督の作風は固定化し過ぎた感じもする。個人的には「裸足のピクニック」、「ひみつの花園」時代の作風もまた観てみたいけど。
