電子竹林:Blog

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「グランド・ブダペスト・ホテル」- The Grand Budapest Hotel -

ウェス・アンダーソン監督脚本。大戦前夜の1930年代、ズブロッカ共和国のグランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジェのグスタフ.H(レイフ・ファインズ)は新密であったマダム.D(ティルダ・スウィントン)の死により、貴重な絵「リンゴを持つ少年」を相続する事になる。マダムの息子ドミトリ(エイドリアン・ブロディ)と部下ジョプリング(ウィレム・デフォー)はグスタフを殺人犯に仕立てようとするが、グスタフはベルボーイのゼロ(トニー・レヴォローリ)、その恋人アガサ(シアーシャ・ローナン)の協力で逃走する…。美しく繊細な映像にすぐに不思議な物語の世界に引き込まれる。わずか2秒間のカットが綿密に計算され尽くされた美を持っている。それでいながら、重くならずに軽妙な構成。物語も暖かい視点で人々を見つめ、素晴らしい寓話に仕上がっている。「ムーンライズ・キングダム」(id:zom-1:20130211#p1)よりも好きかもしれない。ウェス・アンダーソンは、その独自の世界を作り上げ、まだまだ洗練させようとしている。素晴らしく貴重な存在だ。

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