電子竹林:Blog

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「トランセンデンス」- transcendence -

ウォーリー・フィスター監督、ジャック・パグレン脚本。人工知能PINNを開発したウィル(ジョニー・デップ)は、反テクノロジーのRIFTに襲われ残りわずかの命となるが、妻エヴリン(レベッカ・ホール)はウィルの頭脳と意識をPINNへアップロードを試みる…。「インセプション」(id:zom-1:20100725#p1)などの撮影監督で、これが初監督。オリジナル脚本で、「インセプション」的な路線を狙っていると思うのだが、物語的にはちょっと浅いしテンポも悪い。全体には、シンギュラリティ(技術的特異点)の話だけど、結局はポストヒューマンに視点は行かずに、人間側の恐怖感でしかない。ラッダイト(ここでのRIFT)との対立でしか人間の存在意義を描けないという創造性の欠如が情けない。シンギュラリティでは「her」(id:zom-1:20140629#p1)の方がずっと先端を行った発想だった。もっとずっと面白くなる設定なのに残念。ナノマシンの登場はSFであっても突然すぎて、もうちょっと前提があって良かったんじゃないかなあ。ホーガン「未来の二つの顔」におけるドローンのように。

http://transcendence.jp