電子竹林:Blog

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「あん」

河瀬直美監督脚本、ドリアン助川原作。どら焼き屋の雇われ店長の千太郎(永瀬正敏)の店に、老女の徳江(樹木希林)が働かせてくれないかと現れる。千太郎は躊躇するが、徳江の作る餡の素晴らしさに感激し一緒に働くことになる。やがて徳江の餡は評判を呼び、徳江も常連客の中学生のワカナ(内田伽羅)と仲良くなっていくが…。原作未読。河瀬直美の中ではとても分かり易く完動的。後半からラストにかけてはストレートに心に食い込んでくる。より分かり易い傾向は「二つ目の窓」(id:zom-1:20140812#p1)に続いてかな。社会的問題を主軸としているけど、そこは本質ではない。それよりも人との繋がりや働くことの楽しさ、日常のちょっとした事に感動するというシンプルな気持ちをうまく描く事で、人間という存在の輪郭を描き出している事がこの映画の成功だと思う。樹木希林は演技というよりはその存在自体が素晴らしい。内田伽羅樹木希林の実の孫。

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