電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「存在のない子供たち」-Capharnaum-

ナディーン・ラバキー監督。レバノン、人を刺し少年刑務所に入っていたゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)は自分を生んだ罪で実の親を告発し裁判を起こす。ゼインは少年出生届も出されず学校に行かず、商店で働いていたが、幼い妹のサハル(シドラ・イザーム)が強制的に結婚させられることに反発し家出、エチオピア移民のラヒル(ヨルダノス・シフェラウ)の家でその一歳の息子ヨナスの世話をすることになるが…。2018年カンヌの審査員賞とエキュメニカル審査員賞。内容も壮絶で心を締め付けられる。主人公の少年が演技しているようにはまるで見えない自然さが物凄い。まるでドキュメンタリーのよう。ゼイン役もサハル役もほとんどの役者が映画と同じよう生活や体験をしていて、役者経験がないからかもしれない。それがちゃんと映画になっているというのも凄い。ゼインとサハルの微笑みもなく世を達観した眼差しは特に印象的。ゼインが誰を刺した相手も隠したまま引っ張る展開もなかなか上手い。

http://sonzai-movie.jp/