蜷川実花監督。1948年、太宰治(小栗旬)は身重の妻・美知子(宮沢りえ)と二人の子供と暮らしながら、太田静子(沢尻エリカ)と関係を持ち、彼女の日記を元に「斜陽」をベストセラーにする。さらに美容師の山崎富栄(二階堂ふみ)と知り合い関係を深くしていくが…。「人間失格」のタイトルだけど、小説の内容とは無関係でその誕生の物語か。映画としては荒戸源次郎版「人間失格」は小説そのまま原作。これは、実在の人物がメインだけど、かなり脚色されていて基本はフィクション。映像も演技もみんな張り切ってはいるけど、何故か退屈になる展開が蜷川風味。高良健吾の三島由紀夫も、藤原竜也の坂口安吾もなんか浮いていた。なんでこれが満席なの、と思った。太宰のこの10年ぐらいの映画では、「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」 、「パンドラの匣」 はまあ良かったけど、荒戸源次郎版「人間失格」と秋原正俊版「斜陽」はダメだったな。