電子竹林:Blog

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「一度も撃ってません」

阪本順治監督、丸山昇一脚本。かつての純文学作家・市川進(石橋蓮司)は、今は出版もされないハードボイルド小説を書き、妻・弥生(大楠道代)と二人暮らし。市川は旧友で元検事の石田(岸部一徳)や元女優・ひかる(桃井かおり)たちとバーYで飲み、また伝説の殺し屋・御前零児を気取っていたが…。物語の設定からコメディ色が濃いかと思ったら、意外にまともなハードボイルドの路線。俳優もスタッフも客も、年寄り中心な昭和感覚はかなり強いけど物語はちゃんと成立している。今西(妻夫木聡)の背景や市川との関係性、石田の現在の背景などはもうちょっと深く描いても良かった気がする。ちょっとシリアスに寄りすぎるかもしれないけど。豊川悦司だけはクレジットまで分からなかった。市川が憧れるのがチャンドラー やハメットや、大藪春彦でもなく、北方謙三なのはなんでだろう。

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