電子竹林:Blog

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「博士と狂人」-The Professor and the Madman-

P・B・シェムラン監督、サイモン・ウィンチェスター原作。貧しい家庭の生まれで学士号も持たない独学の学者ジェームズ・マレー(メル・ギブソン)は、オックスフォード英語大辞典(OED)の編纂に参加する。一方、米国の元軍医でウィリアム・チェスター・マイナー(ショーン・ペン)は南北戦争で精神を病み、英国でイライザ・メレット(ナタリー・ドーマー)の夫を誤って射殺してしまう。マイナーは精神病院に収監されるが、マレーの辞書作りに関わることになっていく…。原作はノンフィクション、実話ベースの映画。話半分にしてもOEDの背景にこんな物語があったなんてのは驚き。言葉に対する様々な話は「舟を編む」 に近い面白さがあり、興味ある人なら楽しめると思う。メル・ギブソンショーン・ペンの演技対決な面もある。時に学者の方が狂人で、狂人の方が知性的だったりするのも面白い。原作では映画では説明しきれないディティール、舞台となる町の歴史と成り立ち、南北戦争でのPTSDの理由、その元となるアイルランド人という立場、辞書作りにおける諸外国との考え方の違い、特にフランスとの対立などなど書かれていて面白かった。

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