電子竹林:Blog

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「夏への扉 キミのいる未来へ」

三木孝浩監督、ロバート・A・ハインライン原作。1995年東京、若きロボット開発者・高倉宗一郎(山崎賢人)はラズマ蓄電池の開発に取り組んでいた。友達は亡き父の親友松下の娘・璃子(清原果耶)、猫のピート。しかし、共同経営者の松下和人(眞島秀和)、婚約者の鈴(夏菜)の裏切りに会い、すべての研究を失った宗一郎は30年後の2025年までコールドスリープに入る決心をするが…。やや日本向けなトコはあるが、原作に素直に作りながら適度に刈り込んで、物語もちゃんと整っている。原作未読の日本人なら、ミステリー的にも楽しめると思う。猫のピートも、ロボットのピート(藤木直人)も、まあよし。そもそも日本受けしながら海外で評価低いのは、全編のロリコンっぽさじゃないかと思っているのだが、そこはむしろ強め。リッキィ=璃子(清原果耶)愛100%。でもリッキィが11歳だけど 璃子は17歳だからギリギリOKなのか。田口トモロヲ原田泰造、浜野謙太ともに脇役としては悪くない。SFとしては古臭くなっている部分を、適度に時代に合わせてる。64年前の原作では、ワープロ、CAD、家事ロボット、冷凍睡眠、タイムマシンが同じようなレベルで語られているのは今考えると面白い。この原作が元ネタになっている「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だが、映像表現的にそこから影響を受けている印象もある。初のケン・リュウの実写化「Arc アーク」 、初の「夏への扉」の実写化ともに日本だけど、日本人用に内向けに作られていて、海外へ出せるコンテンツになっていないのは残念な限り。

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