ジュゼッペ・トルナトーレ監督。映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。トランペット奏者の父、サンタ・チェチリア音楽院、現代音楽家ゴッフレード・ペトラッシとの出会い、商業音楽を否定するペトラッシ反してやがて1961年映画音楽デビューをするが…。ペトラッシと対立するでもなく映画音楽で成功していく様は、モリコーネの性格の良さが出ている。しかし、その葛藤こそが映画音楽を高みに高めようという力になったんだろう。実験音楽家のジョン・ケージの登場、アカデミックな立場からの反発、またその影響から音の使い方が変化して、それが後々に「荒野の用心棒」の口笛や、音楽の中へのさまざまな音の入れ方になっていったのは面白い。確かに映画音楽って、使う音は違うなあ。「夕日のガンマン」、「革命前夜」 、「荒野の用心棒」、「死刑台のメロディ」、「ニュー・シネマ・パラダイス」 、「アンタッチャブル」、海の上のピアニスト」などなど、作品を並べるだけでまるで映画史のよう。