電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「FOUJITA」

小栗康平監督脚本。1920年代、"乳白色の肌"の裸婦像でエコール・ド・パリの旗手となった藤田嗣治(オダギリジョー)は画家仲間、モデル、踊り子たちと乱痴気騒ぎの毎日を繰り返していた。1940年代、日本に戻った藤田は「アッツ島玉砕」など戦争協力画により美術界の重鎮となり、5番目の妻・君代(中谷美紀)と疎開先の村で暮らしていたが…。小栗康平の10年ぶりの作品、前半1時間はエコール・ド・パリ時代、後半は戦中日本でガラリとトーンを変え、その明暗の対比が良い。全編に暗い闇と光を上手く使った画面が冴えてる。前半の遊興、後半の戦争協力と、そこに評価を感じさせずに一歩はなれて、淡々と描写していく所に鋭さを感じる。最後の映像はランスのフジタ礼拝堂。

http://foujita.info/